需給動向 海外 |
◆米 国◆
鶏肉生産量は国内外の需要を受け依然好調 |
2014年第1四半期の鶏肉生産量はわずかに増加米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が4月15日に公表した「Livestock,Dairy, and Poultry Outlook」によると、2014年第1四半期の鶏肉生産量は、前年同期比1.4%増の420万7000トン(速報値)となった。1月は前年同月比2.8%減の144万1000トンとやや減少となったものの、2月は同4.5%増の136万5000トン、3月は同1.7%増の27万1000トンとなったことから、第1四半期ではわずかに増加となった(図14)。今回発表された生産量は、USDAが3月14日に公表した見通しを1万2000トン下回っており、USDAは減少の要因として、1月と2月の処理羽数が当初の見込みを下回ったことを挙げている。 USDAは、今後も鶏肉需要は堅調に推移するとしており、2014年の鶏肉生産量を前年比1.8%増の1746万トンと見込んでいる。
3月の鶏肉在庫量は前年を下回る 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が4月22日公表した「Cold Storage」によると、2014年3月の鶏肉在庫量は、前年同月比6.4%減の26万6800トンとかなりの程度減少した。主な部位別の在庫量を見ると、主に国内消費に向けられるむね肉は同7.6%減の5万1000トン、主に輸出向けとなる骨付きもも肉(もも四分体)は、海外の需要増を受け同6.9%減の4万7000トン、手羽は夏場のスポーツ観戦などの需要に向けて国内消費が増加していることから同26.2%減の2万5000トンとなった。特にむね肉は、牛肉や豚肉価格が高値で推移する中、より安価な鶏肉に需要がシフトしていることを背景に、2013年12月以降、在庫量は前年を下回って推移している。 2月の鶏肉輸出量は前年を大きく上回るUSDA/ERSによると、2014年2月の鶏肉輸出量は、前年同月比1.7%増の27万1000トンと2カ月連続で前年を上回った(図15)。主な輸出相手国を見ると、第1位のメキシコが5万トン(同10.1%増)、第2位のアンゴラが2万1000トン(同123.7%増)となり、香港9000トン(同78.3%増)、グルジア1万1000トン(同69.9%増)も大幅に増加した。一方、ロシア向けは、同国で引き続き鶏肉生産量が増加していることなどから、同51.9%減の1万トンと大幅に減少した。USDAでは、今後も堅調な輸出需要が見込まれることから、2014年の鶏肉輸出量を同2.2%増の341万トンと予測している。
(調査情報部 山神 尭基)
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