米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は5月9日、2014/15穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通しを公表した。2014/15年度の需給見通しは、今回が初めてとなる。
生産量は前年並みの見通し
2014/15年度のトウモロコシ生産量は、大豆への転作が進み作付面積が前年から減少するものの、単収増との見込みから前年度比0.1%増の139億3500万ブッシェル(3億5395万トン)と見込んでいる(表8)。単収は、5月中旬の作付状況のほか、夏場の天候や単収の予測モデルを考慮し算出された予測値として、同4.1%増の1エーカー当たり165.3ブッシェル(約10.4トン/ヘクタール)と見込んでいる。
一方、総消費量は、国内消費のうち飼料等向けおよび輸出向けが前年度を下回るとの見込みから、同1.8%減の133億8500万ブッシェル(3億3998万トン)とされた。USDAは、飼料等向けの減少要因として、前年度と比べて国内の家畜頭数が減少し、飼料需要が弱まることを挙げている。また、輸出向けの減少要因は、今後、米国以外の主要生産国で生産量が増加し、米国産トウモロコシの需要が減少することを挙げている。
期末在庫量は、前年度からの積み増しが高水準となったことに加え、増産が見込まれるため、同50.6%増の17億2600万ブッシェル(4384万トン)と予測され、在庫率は12.9%とされた。
生産者平均販売価格は、2年連続の豊作見込みより、需給が一層緩和することから下値および上値とも引き下げられ、1ブッシェル当たり3.85〜4.55ドルと予測している。
表8 米国のトウモロコシ需給の見通し(2014年5月9日米国農務省公表)
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資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
注:年度は、各年9月〜翌8月
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(調査情報部 山神 尭基)
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