需給動向 国内 |
平成25年度の豚肉生産量、2年連続の増 |
平成25年度の豚肉生産量は、91万7289トン(前年度比1.2%増)とわずかに増加し、2年連続で前年度を上回った(農林水産省「食肉流通統計」、表2、図2)。 また、輸入量は、74万4271トン(同2.0%減)と2年連続で前年度を下回った(財務省「貿易統計」)。このうち冷蔵品の輸入量は、30万5792トン(同16.8%増)と4年連続で前年度を上回った。輸入冷蔵品は、量販店などを中心に一定の需要があったが、最近では、輸入量が減少傾向にある冷凍品の代替需要が強まり、前年度を大幅に上回る輸入量となった。一方で冷凍品は、43万8451トン(同11.9%減)と2年連続で前年度を下回った。
25年度の出回り量は前年度並み、期末在庫は減少 25年度の推定出回り量は、167万3545トン(前年度比0.1%減)とほぼ前年度並みであった(機構推計)。このうち国産品は、91万8579トン(同1.6%増)となり、前年度をわずかに上回ったものの、輸入品は、75万4967トン(同2.0%減)となり、冷凍品を中心とした輸入量の減少により、わずかに前年度を下回った。 25年度の豚枝肉卸売価格、3年ぶりに前年度を上回る25年度の豚枝肉卸売価格(東京・大阪市場の省令規格加重平均)は、1キログラム当たり499円(前年度比13.4%高)と3年ぶりに前年度を上回った(農林水産省「食肉鶏卵速報」)。月別に見ても、6月以外の全ての月で前年同月を上回った。生産量が前年度を上回ったにもかかわらず価格が上昇した背景には、冷凍品を中心とした輸入量の減少から輸入品の取引価格が上昇したことに伴い、国産品の需要が高まったことがあるとみられる。 東京市場4月の卸売価格、700円を上回る高値に本年4月23日、東京市場の豚肉卸売価格(省令規格)が、平成9年7月以来の700円超えとなる1キログラム当たり727円となった。通常、夏場に価格が上昇する傾向にはあるものの、まだ4月であることを考えれば、この高値は極めて異例といえる。この高値の要因として一番に挙げられるのは、時期的にゴールデンウィーク向けの手当が集中したことである。一方で、市場関係者によると、その背景には、冷凍品輸入量の減少に伴う在庫量減少からくるひっ迫感、海外の現地相場高や円安による輸入品価格の上昇からくる先高感、さらに4月に入って全国の広い範囲で発生が報道されている、豚流行性下痢(PED)による今後の生産量への不安感などがあり、これら複数の要因が作用して相場を押し上げたものとみられる。なお、同日をピークに、同価格は5月3日の同564円まで連続して下落したものの、連休明けには再び同600円台で推移している。今後の需給動向を注視する必要がある。 (畜産需給部 三田 修司)
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