需給動向 国内 |
平成26年3月の牛枝肉卸売価格は、生産量の減少などを背景に、前年を上回って推移した。 また、東京市場における3月の枝肉卸売価格(速報値)は、和牛去勢A−4が1,793円(前年同月比0.9%高)、交雑種去勢牛B−3が1,188円(同3.9%高)、乳用種去勢牛B−2が788円(同9.1%高)となった(図1)。 4月1日からの消費税率変更に伴い、3月は自家用車や家電製品などの高額商品への駆け込み購入によって支出が増えることから、保存のきかない生鮮食品の買い控えや外食への支出抑制が起こるとの声もあった。さらに、3月は多くの食肉卸売業者・メーカーにおいて、決算を前に在庫調整が行われることから、枝肉相場に注目が集まっていた。しかしながら、生産量の減少、輸入牛肉の現地相場高、為替の円安傾向が継続していることから、上昇率は縮小傾向にあるものの、引き続き前年を上回って推移したと考えられる。さらに、3月の価格を日別に見ると、月初から月の半ばまでは低下傾向で、月末は値を戻す形で推移していたものの、相場の変動がわずかだったことから、増税直前の手当てなど、目立った動きはなかったと推測される。
日豪EPA大筋合意平成26年4月7日、日本は豪州との経済連携協定締結交渉の大筋合意に達した。今回の大筋合意において、最大の焦点となっていた牛肉の関税率については、現行の38.5パーセントを、冷蔵牛肉は協定発効後15年かけて23.5パーセントに、冷凍牛肉は18年かけて19.5パーセントに、それぞれ段階的に引き下げることとなった。ただし、豪州からの輸入数量が一定量を超えた場合、関税率を38.5パーセントに引き上げるセーフガードを設けるとしている。基準となる数量は、冷蔵牛肉は協定発効初年度が13万トン、冷凍牛肉は19万5000トンとなった。なお、平成25年度(4〜翌2月)の輸入量48万8665トンのうち、豪州産は51.9パーセントを占める25万8870トン、一方、競合国の米国産は37.4パーセントを占める18万6309トンとなっている。(畜産需給部 山口 真功) |
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