2013年の食鳥処理羽数、鶏肉生産量はともに増加
タイ農業・協同組合省によると、2013年10〜12月の食鳥処理羽数は前年同期比4.2パーセント増の2億7369万羽となり、2013年通年では前年比4.6パーセント増の11億405万羽となった。
また、処理羽数の増加に伴い同年10〜12月の鶏肉生産量も前年同期比4.2パーセント増の37万4963トンとなり、2013年全体は前年比4.6パーセント増の151万2549トンと好調な生産を維持している(図10)。
この要因としては、2013年を通じて豚肉の小売価格が上昇する一方(図11)、鶏肉価格は安定して推移し(図12)、国内需要を押し上げた(鶏肉国内消費は前年比30.3パーセント増の60万5217トンに達した)こと、また、2013年10月にシンガポールがタイ産生鮮鶏肉の輸入解禁に踏み切ったことなどが挙げられる。
図10 四半期別食鳥処理羽数と生産量の推移
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資料:タイ農業・協同組合省
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図11 豚肉の小売価格の推移
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資料:タイ国内通商局
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図12 ブロイラーの農場出荷価格と鶏肉の小売価格の推移
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資料:タイ農業・協同組合省(農場出荷価格)、
タイ国内通商局(小売価格)
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2013年の鶏肉輸出量は前年比1.7パーセント減
2013年の鶏肉輸出量は、生鮮鶏肉(冷凍鶏肉カット品・冷凍加塩鶏肉など)が好調に推移する一方、鶏肉調製品が減少したことから、鶏肉輸出量全体では、54万1297トン(前年比1.7%減)と前年をわずかに下回った(図13)。
図13 鶏肉輸出量
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」
注:HSコード:020714(冷凍鶏肉カット品)、021099(冷凍加塩鶏肉)、
160232(鶏肉調製品)を合計した値である。
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品目別で見ると、冷凍鶏肉(HSコード:020714(カット品))は8万5572トン(同3.9%増)で、主な輸出先別ではラオス向けが4万9819トン(同55.4%増)、EU向けが1万4409トン(同23.8%増)と大幅に増加した(図14)。
図14 輸出先別冷凍鶏肉(カット品)輸出量
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」
注:HSコード:020714
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冷凍加塩鶏肉(HSコード:021099)は4万265トン(同182.4%増)となり、そのほとんどがEU向けであった(図15)。
図15 輸出先別冷凍加塩鶏肉輸出量
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」
注:HSコード:021099
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鶏肉調製品(HSコード:160232)は41万3164トン(同7.2%減)で、主な輸出先である日本向けが19万5286トン(同8.2%減)、EU向けが17万6287トン(同9.8%減)と減少した(図16)。日本向けについては、鶏肉調製品の輸入量を二分するタイ産、中国産ともに減少していることから、在庫調整による減少とみられる。また、EU向けについては、経済低迷による消費不振が背景にあるとタイ側はみている。
図16 輸出先別鶏肉調製品輸出量
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資料:GTI社「Global Trade Atlas」
注:HSコード:160232
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(調査情報部 宗政 修平)
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