需給動向 海外

◆豪州◆

生乳生産、3カ月連続で増加


生乳生産、州により異なる傾向

 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2014年2月の生乳生産量は、62万4900キロリットル(前年同月比1.5%増)となった(図23)。2013年11月まで12カ月連続で前年同月を下回った後、3カ月連続で前年同月を上回っており、生乳生産は回復基調に乗ったとみられる。当初、2月は主要酪農地域の降雨量が平年より少なく、また、北部の干ばつに伴い飼料価格も上昇したため、生乳生産への影響が懸念されていた。しかし、生産者乳価が高水準となったことで酪農家の増産意欲が向上し、生乳生産の増加につながったとみられている。
図23 豪州の生乳生産量の推移
資料:DA
  注:年度は7月〜翌6月
 州ごとの生産状況を見ると、豪州全体の生乳生産の約3分の2を占めるビクトリア(VIC)州とタスマニア州が、前年同月を上回っており、堅調な乳製品国際価格を背景に豪州全体の生乳生産をけん引している。一方、クイーンズランド州や、VIC州に次ぐ酪農地域であるニューサウスウェールズ州は、干ばつの影響で減少傾向が継続している。

乳製品輸出、脱脂粉乳と全粉乳は増加

 DAによると、2014年1月の主な乳製品の輸出量は、脱脂粉乳が1万5504トン(前年同月比27.1%増)、全粉乳が1万2556トン(同115.6%増)、バターが3,335トン(同25.2%減)、チーズが9,484トン(同11.7%減)となった(図24)。脱脂粉乳と全粉乳は前年同月を上回る一方、バターとチーズは下回っている。これは、全粉乳を中心に粉乳類の国際価格が高止まりしており、乳業メーカーも豪州最大の輸出品目であるチーズよりも、粉乳類の生産・輸出を優先させていることが背景にあるとみられている。
図24 豪州の乳製品輸出量の推移
資料:DA

酪農家の経営は前年度から改善

 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は2014年3月、豪州の酪農経営動向に関する調査結果を公表した(表7)。これによると、2012/13年度(7月〜翌6月)は、生乳生産量の減少と生産者乳価の下落という状況のもと、乾燥気候の影響から飼料費を中心に現金支出が増加したため、豪州の酪農家の現金所得(現金収入−現金支出)は4万4200豪ドル(428万7400円:1豪ドル=97円、前年比69.2%減)と大幅に減少した。

 一方、2013/14年度は、生産者乳価の上昇から、多くの地域で現金収入の増加が見込まれるため、現金所得は12万9000豪ドル(1251万3000円、同191.9%増)に回復すると予測している。
表7 ABARESの酪農経営動向調査(1経営体当たり)
資料:ABARES
  注:2012/13年度は暫定値、2013/14年度は推計値

今後の経営環境について、酪農家は楽観的な見通し

 オランダの農業系金融機関ラボバンクは2014年3月、2014年の豪州の農業経営環境に関する意向調査結果を公表した。これによると、堅調な乳製品国際価格を背景に、豪州の酪農家の54パーセントが2014年の経営環境は改善すると見通している。特に主要酪農地域であるVIC州では、80パーセントの酪農家が「2014年の経営環境は前年と同じか改善する。」と楽観的な見通しを示している。また、VIC州の多くの酪農家が良好な飼料と十分な水資源が確保できているとしており、こうしたことから、酪農家は、かんがい施設の整備や、補助飼料の投入など、増産に向けて積極的な投資を行っていくものとみられている。

                                       (調査情報部 根本 悠)


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