2013年の生乳生産量、過去最高を記録
ウルグアイ国立乳業機関(inale)によると、2013年の生乳生産量は前年比5.0パーセント増の243.2万トン(速報値)となり、過去最高を記録した(図28)。生乳生産量は、同年1〜3月にかけては、生乳価格の下落により酪農家の収益が悪化したため、前年同月を下回った。しかし、4月以降、生乳価格が引き上げられたことを受け、6〜12月の生乳生産量は単月比で過去最高水準に達した。
また、ウルグアイ農牧水産省農牧計画政策局(OPYPA)によると、2013年9月(※10月以降データ未公表)の生乳価格は、同年1月と比べて4.2パーセント上昇し、1リットル当たり0.39ドル(約41円)となった。あわせて、収益(生乳価格−生産コスト)は、主に飼料穀物価格の下落を受けて同期間に19.2パーセント改善した。国内の生乳価格は、国際乳製品市場で粉乳価格が堅調に推移していることを受け、上昇したとみられている。
図28 生乳生産量の推移 |
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資料:inale
注:2013年は速報値 |
2014年の生乳生産量、好調な生乳価格により前年比5.0パーセント増の見込み
ウルグアイは、生乳生産コストが安く、原料調達コストも安い。そのため、国内市場に仕向けるよりも堅調な国際乳製品市場向けに生産する方が利幅は大きいため、全粉乳など輸出志向の乳製品生産が行われている。なお、国内市場向けの仕向け割合は生乳生産量の3分の1程度となっている。こうしたことから、inaleでは、2014年の生乳生産量は、堅調な全粉乳価格による生産意欲の高まりなどを受け、前年比5.0パーセント増の255.4万トンと見込んでいる。
乳製品輸出、全粉乳のみ好調
同国の主要輸出品である全粉乳の2013年における輸出量は、前年比13.1パーセント増の6万9961トンと過去最高を記録した(図29)。これは、中国向けが前年から約22.5倍の1万1171トンと大幅に増加したことによる。一方、全粉乳以外の乳製品の輸出量は、全粉乳の輸出価格が堅調に推移する中、同製品への仕向け量が増加したため、前年から軒並み減少に転じた。なお、2013年の同国の全粉乳の平均輸出価格は、全粉乳の主要輸出国であるEUや豪州よりも安く、1トン当たり4,499米ドル(約46万8000円)であった(図30)。
図29 全粉乳の国別輸出量の推移 |
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資料:GTI社 「Global Trade Atlas」
HSコード:040221 |
図30 主要全粉乳輸出国の平均輸出価格の推移 |
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資料:GTI社 「Global Trade Atlas」
HSコード:040221 |
(調査情報部 米元 健太)
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