需給動向 海外

◆米 国◆

豚総飼養頭数、前年同月比3.3パーセント減


PEDの影響により、肥育豚で飼養頭数が減少

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が3月28日に公表した「Quarterly Hogs and Pigs」によると、2014年3月1日現在の豚総飼養頭数は、前年同月比3.3パーセント減の6289万9000頭となった(図7)。主な要因としてUSDAは、米国で発生が続いている豚流行性下痢(PED)が、飼養頭数の減少に大きく影響したとみている。

 飼養頭数の内訳を見ると、肥育豚ではすべての体重別カテゴリーで前年同期を下回った(表2)。50ポンド(22.7キログラム)以下では、前年同月比4.0パーセント減の1810万1000頭となった。一方、今夏の豚肉生産量は、飼料価格の下落により飼料給与量が増加していることから、1頭当たり枝肉重量の増加は続いているものの、飼養頭数の減少により、前年と同程度になると見込まれている。

 繁殖豚は、前年同月比0.3パーセント増の585万1000頭となった。増加の要因として、繁殖豚にもPEDの発生が確認されているが、飼料価格の下落を背景とした生産者の増産意欲の高まりにより、繁殖豚の保留が進んでいるとみられている。
図7 四半期別飼養頭数の推移
資料:USDA/NASS
  注:各月1日の頭数
表2 豚飼養頭数の推移
資料:USDA
  注:計数は、四捨五入のため、合計において一致しない場合がある。

分娩母豚頭数の増加により、生産量回復を期待

 今回あわせて公表された2013年12月〜2014年2月期の分娩母豚頭数を見ると、前年同期比2.8パーセント増の286万7000頭となった(表2)。一方、同期の離乳子豚頭数は、同2.8パーセント減の2731万6000頭となった。これにより、同期の1腹当たりの産子数は、前年比5.5パーセント減の9.53頭となった。

 2014年3月以降の分娩母豚頭数は、生産者の増産意欲の高まりにより、3〜5月期は同2.4パーセント増、6〜8月期は同2.0パーセント増と見込まれている。また、米国でのPEDの発生件数は、2月をピークに減少傾向となっていることから、3月以降分娩された子豚が出荷される8月以降の生産量の回復が期待されている。

多くの主要生産州では飼養頭数が減少

 飼養頭数を州別に見ると、飼養頭数が多い州のほとんどで前年同月を下回った(表3)。飼養頭数が最も多いアイオワ州では、前年同期比1.5パーセント減の1980万頭、次いで多いノースカロライナ州では、同8.0パーセント減の800万頭となった。なお、上位10州で全米飼養頭数の約87パーセントを占めている。
表3 州別飼養頭数の推移
資料:USDA/NASS
  注:各年3月1日現在のもの

                                      (調査情報部 山ア 良人)

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