米国農務省海外農業局（USDA/FAS）が10月10日公表した「Grain：World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量（2014/15年度）は、ウクライナが高温・乾燥により大幅な減産が見込まれるものの、米国では記録的な生産量に達するとの見込みから、前年度をわずかに上回る9億9069万トン（前年度比0.2％増）としている（表15）。また、EUでも、前年度比11％増となる7100万トンの生産が見込まれており、USDAでは、今夏、EUの主要生産地で大量の降雨があったことが増産につながったとしている。

　輸入量は、在庫量が高水準にある中国や、生産量が増加するEUなどが減少するとの見込みから、同9.7％減の1億1604万トンとしている。一方、輸出量は、価格面で優位性のある南米産が増加するものの、米国やウクライナで減少するとの見込みから、輸入量同様に同9.7％減の1億1604万トンとしている。

　また、消費量は、米国や中国で増加するとの見込みから、同2.1％増の9億7311万トンとしている。なお、期末在庫は、米国の大幅な増加見込みから、同10.2％増の1億9058万トンとしている。

表15　主要国のトウモロコシ需給見通し（2014年10月10日米国農務省公表）

資料：USDA／FAS「Grain: World Markets and Trade」 　 注：各国の穀物年度　世界、米国、ウクライナ：9月〜翌8月/中国：10月〜翌9月/アルゼンチン、 　　　　ブラジル：3月〜翌2月

大豆の期末在庫は積み増しが進む見通し

　USDA/FASが10月10日公表した「Oilseeds：World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量（2014/15年度）は、トウモロコシへの転作が進む中国での減少が見込まれるものの、主要生産国である米国や南米での増加見通しにより、前年度比9.2％増の3億1120万トンとしている（表16）。

　輸入量は、中国での堅調な需要が見込まれることから、同3.3％増の1億1250万トンとしている。一方、輸出量は、主に米国で前年度を上回ると見込まれることから、同1.6％増の1億1520万トンとしている。

　また、消費量は、最大の消費国である中国での増加が見込まれることから、同5.1％増の2億5148万トンとしている。なお、期末在庫は、米国や南米で前年を大幅に上回ると見込まれることから、同36.4％増の9067万トンとしている。

表16　主要国の大豆需給見通し（2014年10月10日米国農務省公表）

資料：USDA／FAS「Oilseeds: World Markets and Trade」 　 注：各国の穀物年度　世界、米国、ウクライナ：9月〜翌8月/中国：10月〜翌9月/アルゼンチン、 　　　　ブラジル：3月〜翌2月