需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

バター3000トン、脱脂粉乳1万トンの追加輸入を実施へ


現品は平成27年1〜3月に国内市場に出回る予定

 農林水産省は平成26年9月26日、平成26年度カレントアクセスとは別に、バター3000トン、脱脂粉乳1万トンの追加輸入を実施すると発表した。輸入入札は機構において10月中に行われ、年度内に売り渡される計画となっている。バターの追加輸入は、6月の7000トンに続き今年度2回目である。また、脱脂粉乳の追加輸入は、9年度以来17年ぶりのことである。

バター、脱脂粉乳の生産量が伸び悩む

 生乳生産量が前年同月を下回って推移する中、クリーム等向けの生乳処理量が増加していることもあり、平成26年4月から8月までの脱脂粉乳およびバターの生産量は、バターが2万6342トン(同11.9%減)、脱脂粉乳が4万9243トン(同13.0%減)といずれもかなり大きく減少した(図8)。

 減少幅はおおむね小傾向にあるものの、直近の8月の生産量でもバターは4661トン(前年同月比8.4%減)、脱脂粉乳は9127トン(同3.4%減)と、依然前年同月を下回っている。

民間在庫量の減少に対応する追加輸入

 生産量が減少する中、平成26年4月から8月までの推定出回り量は、バターが2万9502トン(前年同期比1.9%増)と伸びており、脱脂粉乳も6万1038トン(同2.4%減)とわずかな減少にとどまった。

図8 バターおよび脱脂粉乳の生産量(前年同月増減率)の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

 その結果、8月末の民間在庫量はバターが1万6544トン(前年同月比32.4%減)、脱脂粉乳が3万5130トン(同27.3%減)と共に大幅に減少した(図9、10)。ただし、カレントアクセスと追加輸入で既に手当てされたもののうち、バター約7600トン、脱脂粉乳約6600トンが、9月以降、それぞれ国内市場に出回るため、在庫量に積み増される見込みとなっている。それでも、生乳生産の回復に遅れが見られることから、年明けの国内の乳製品需給を安定させるため、今回の追加輸入が実施されることとなった。

図9 バターの民間在庫量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
図10 脱脂粉乳の民間在庫量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
(畜産需給部 岡 久季)


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