需給動向 国内 |
国産品推定期末在庫、6年3カ月ぶりに2万トンを下回る
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平成26年7月の鶏肉需給は、生産量が前年同月をわずかに上回る12万1851トン(前年同月比2.9%増)、輸入量は4万2584トン(同1.6%増)、推定出回り量15万9779トン(同3.1%減)となり、推定期末在庫は11万7782トン(同11.9%減)と前月から4656トンを積み増し、本年3月を底に4カ月連続の増加となった(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 推定期末在庫のうち、輸入品在庫は9万9827トン(同2.6%減)、国産品在庫は1万7995トン(同42.4%減)となっている(図4)。輸入品在庫は年末需要に向けて順調に積み増している一方で、国産品在庫は20年4月以降、6年3カ月ぶりに2万トンを下回る低水準で推移している。これは、他の食肉との価格優位性から量販店などでの特売回数が増加しているほか、総菜やソーセージ、ナゲットなどの食材となるむね肉・ささみの加工・業務用需要の増加により、国産品の凍結回しが減少していることによる。 総務省の家計調査報告(1世帯当たり)によると、7月の購入量は、牛肉が同1%減、豚肉が同2%減と小売価格の上昇により減少した一方で、鶏肉は価格優位性に支えられて、同7%増となっている。 年末に向けて、鍋物やクリスマスなどの季節需要の増加が見込まれる中、価格に影響を及ぼす在庫水準の動向が注視される。
平成25年度の鶏肉自給率、前年度並みの66%平成25年度の鶏肉自給率(重量ベース)は、国内生産量が145万9000トン、輸入量が71万7000トン、国内消費仕向量が219万5000トンとなり、前年度並みの66%となった。また、鶏肉の国民1人・1年当たりの供給純食料は、前年度並みの12.0キログラム(前年度比0.3%減)となった(図5)。鶏肉の自給率は、近年、輸入量の変動を受けて増減を繰り返しながらも、7割前後と牛肉や豚肉と比べて高い水準で推移している。これは、生鮮鶏肉の賞味期限が8日前後と短く、冷凍品の輸入が中心となることから国産品との競合が少ないほか、インテグレーションの進展により比較的大規模生産を実現していることなどによるものと思われる。 なお、飼料自給率を考慮した鶏肉自給率は、肉用鶏の輸入飼料依存率が約9割と高いことから、前年度並みの8%となった。
(畜産需給部 藤戸 志保)
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