需給動向 海外

◆世 界◆

米国の増産により、世界のトウモロコシ需給は緩和


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が9月11日公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2014/15年度)は、ウクライナでの大幅な減産が見込まれるものの、主に米国の生産量が前月の予測値からわずかに上方修正されたことから、前年度並みの9億8752万トンと見込んでいる(表10)。ウクライナの減産要因としてUSDAは、7月や8月の高温・乾燥気候により、収穫面積および単収が減少したことを挙げている。輸入量は、在庫量が増加傾向にある中国での減少が見込まれることから、同7.7%減の1億1714万トンとしている。
表10 主要国のトウモロコシ需給見通し(2014年9月11日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
   アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
 一方、輸出量は、米国産よりも価格面で優位にある南米産が前年度を上回るものの、ウクライナや米国が前年度から2ケタの減少が見込まれるため、輸入量同様に同7.7%減の1億1714万トンと見込んでいる。また、消費量は、世界的な増産による需給の緩和が見込まれることから、同2.0%増の9億7069万トンとしている。なお、期末在庫は、米国での大幅な増加が見込まれており、同9.7%増の1億8991万トンと、前月の予測値から上方修正された。

世界の大豆生産量は3億トンを超える見込み

 USDA/FASが9月11日公表した「Oilseeds :World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量(2014/15年度)は、中国ではトウモロコシへの転作が進み減産が見込まれているものの、米国や南米で前年を上回る増産見通しにより、前月の予測値から上方修正され、前年度比9.9%増の3億1113万トンとしている(表11)。輸入量は、大豆価格の下落を背景に中国の需要が拡大するとみられることから、同3.3%増の1億1250万トンとしている。

 一方、輸出量は、主要生産国で前年並みまたは前年を上回ると見込まれることから、同2.2%増の1億1540万トンとしている。また、消費量は、同5.1%増の2億5208万トンとしている。

 なお、期末在庫は、米国や南米で前年を大幅に上回ると見込まれることから、同34.8%増の9017万トンし、前月の予測値から積み増されている。
表11 主要国の大豆需給見通し(2014年9月11日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
   アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
(調査情報部 山神 尭基)

元のページに戻る