需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

7月の生乳生産量、14カ月連続の前年同月割れ


北海道の生乳生産に回復の兆し

 平成26年7月の生乳生産量は、61万8018トン(前年同月比2.2%減)となり、14カ月連続で前年同月を下回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。地域別では、北海道が32万8925トン(同1.1%減)、都府県が28万9093トン(同3.4%減)となった(図6)。
図6 地域別生乳生産量の推移
資料: 農林水産省「牛乳乳製品統計」
 北海道の生乳生産は、1月から4月にかけて前年同月比3〜4%減で推移していたが、最近は減少幅が縮小している。ホクレンがまとめた生乳受託数量によると、8月は前年同月比で0.7%減、特に下旬は前年同期比で0.1%減にまで回復している。一方、都府県は漸減傾向に歯止めがかからず、減少率3.0%以上が6カ月続いている。

クリーム等向けの生乳需要が高い

 用途別処理量を見ると、牛乳等向けは、4月の消費増税の影響はあまり見られず、6月までは1%前後の減少であったものの、7月は天候不順から量販店での牛乳の売り上げが伸び悩み、受注が減少した牛乳の生産量が同3.9%減となったことが影響し、前年同月を3.6%下回った。

 乳製品向けは、クリーム等向け11万2581トン(前年同月比2.8%増)、チーズ等向け4万2850トン(同2.0%増)と前年同月並み(同0.6%減)となり、その影響を受けて加工原料乳(注)は11万8746トン(同4.7%減)と前年同月割れとなった。

注:脱脂粉乳・バター向けの処理数量であり、チーズ向けは除く。

牛乳・乳製品の自給率、前年度比1ポイント減の64%

 25年度の牛乳・乳製品を生乳換算した自給率(重量ベース)は、国内生産量が744万8000トン、輸入量が405万8000トン、国内消費仕向量が1163万5000トンとなり、前年度より1ポイント減少の64%と過去最低を更新した(図7)。牛乳等飲用向けの自給率は100パーセントと変わらず、乳製品向けは45%と低水準となった(図8)。また、牛乳・乳製品の国民1人・1年当たり供給純食料は、生乳換算で前年度並みの89キログラム(同0.6%減)となった。

 なお、飼料自給率を考慮した牛乳・乳製品自給率は、純国内産粗飼料自給率が前年度から1ポイント増加したことを受け、27%と前年度並みとなっている。

 これまでの長期的なトレンドを見ると、牛乳・乳製品の自給率は、仕向け量の大きい飲用向けが減少する一方、乳製品の輸入量が伸びていることから、漸減傾向にある。
図7 牛乳・乳製品生産量、輸入量および自給率の推移(生乳換算)
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」および「食料需給表」
(畜産需給部 岡 久季)

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