需給動向 国内 |
平成26年7月の豚肉輸入量は、9万トンに迫る水準 |
平成26年7月の豚肉需給は、生産量は前年同月をわずかに下回る7万2537トン(前年同月比1.3%減)、輸入量は前年同月を大幅に上回る8万9640トン(同43.8%増)、推定出回り量は前年同月をやや上回る14万5539トン(同4.2%増)となり、推定期末在庫は20万4898トン(同21.2%増)と、前月から1万6600トンを積み増し、本年3月から5カ月連続の増加となった(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 7月の輸入量のうち、特に冷凍品が6万4864トン(同77.9%増)と大幅に増加したのは、輸入業者が第1四半期におけるセーフガード(SG)の発動を回避するべく6月の輸入量を抑制し、7月に通関を繰り延べる動きがあったことが大きく影響したためと思われる。輸入量について4〜7月の累計で見ると、冷凍品の約6割を占めるEUからの輸入量は、11万5905トン(前年同期比54.5%増)と大幅に増加しており、アフリカ豚コレラの発生で輸入停止となっているポーランド以外の全ての国で増加となっている(図2)。これは、前年の冷凍品輸入量が少なかったことの反動に加え、米国においては、豚流行性下痢(PED)の発生による出荷頭数の減少が、今年秋に最大となる見込みであること、さらには日本国内においても、PED発生の影響により、10〜12月の肉豚出荷頭数は1月当たり4〜5%程度の減少が見込まれていることなどから、輸入業者が、賞味期限の長い冷凍品で、早めの手当てを行った結果とみられる。
平成25年度の豚肉自給率、前年を1ポイント上回り54%に平成25年度の豚肉自給率(重量ベース)は、国内生産量が131万トン、輸入量が111万3000トン、国内消費仕向量が243万9000トンとなった結果、前年度を1ポイント上回る54%となり、2年連続で増加した(図3)。昭和40年度は100%であった豚肉の自給率は、その後は増減しながらも減少傾向で推移し、平成11年度に60%を下回ってからは、50%台で推移している。これは、国内生産量が横這いで推移する中、近年は加工・業務用需要の拡大や、BSEや鳥インフルエンザなどの発生に伴う、他畜種からの代替需要などもあり、輸入量が増加傾向にあったことによる。 なお、豚肉の国民1人・1年当たりの供給純食料は、前年度並みの11.8キログラム(前年度比0.2%減)となった。また、飼料自給率を考慮した豚肉自給率は、鶏肉・鶏卵と同様に輸入飼料依存度が高いことから、2年度以降は5〜7%で推移しており、25年度も7%(同1ポイント増)となった。
(畜産需給部 三田 修司)
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