需給動向 国内 |
鶏肉卸売価格、好調な消費を反映し、堅調に推移
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平成26年6月の鶏肉需給は、生産量12万115トン(前年同月比0.9%増)、輸入量4万1873トン(同40.1%増)、推定出回り量15万8476トン(同6.5%増)となり、推定期末在庫は11万3126トン(同18.1%減)と、前月から3512トンを積み増し、8カ月ぶりに11万トンを超えた(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 このような状況の中、鶏肉卸売価格は、不需要期を迎えた6月以降も、他畜種との価格優位性に支えられた好調な消費を反映し、堅調に推移している(図3)。 平成26年7月の卸売価格(東京)を見ると、主にテーブルミートに仕向けられるもも肉は、量販店などでの特売需要の増加などもあるものとみられ、1キログラム当たり581円(同8.8%高)と12カ月連続で前年を上回った。また、蒸し鶏などの総菜やチキンナゲット、ソーセージなど業務・加工筋からの引き合いが強いむね肉は、不足感が続いているとみられ、同291円(同5.4%高)と20カ月連続で前年を上回った。 この結果、もも肉とむね肉を合わせた卸売価格(もも肉+むね肉合計)は、2キログラム当たり872円(同7.7%高)となった。飼料価格の生産者実質負担や人件費などの上昇により、採算ラインは現在2キログラム当たり800円台後半ともいわれるが、平成25年6月以降、14カ月連続で800円を超える水準で推移している。
鶏肉調製品輸入量、増加傾向で推移加熱処理された唐揚げ、焼き鳥、フライドチキンなどの鶏肉調製品の平成26年6月の輸入量は、3万5263トン(前年同月比4.6%増)となった。鶏肉調製品は、主に加熱処理施設が多数存在する中国およびタイから輸入されており、平成25年度の輸入量は43万3932トン(前年比4.3%減)と前年度よりやや減少したものの、食の外部化の進展や主要輸入先国における鳥インフルエンザの発生などにより、安い素材を求める外食・業務用向けに、増加傾向で推移している(図4)。 中国の使用期限切れ鶏肉混入問題を受けて、調製品輸入量の約5割を占める中国産からタイ産などへの一部移行や、生鮮鶏肉の加工仕向けの増加などの影響も考えられることから、今後の輸入動向が注視される。
(畜産需給部 藤戸 志保)
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