需給動向 国内

◆鶏 卵◆

鶏卵相場、不需要期を迎え軟調に推移


7月の卸売価格、190円に低下

 平成26年7月の鶏卵卸売価格(M玉、東京)は、12カ月連続して前年同月を上回る190円(前年同月比33円高)と依然として高水準で推移したものの、夏場の不需要期を迎えたこともあり、前月比では5カ月連続低下した(図7)。

 鶏卵の卸売価格は、例年、気温の上昇に伴い低下し、夏場の不需要期に底を迎えるというトレンドを示す(平成23年度は、東日本大震災の影響で例外)。

 本年においても、2月をピークに低下が始まり、梅雨入り以降、夏場にかけてテーブルエッグ、加工・業務筋ともに需要が鈍化し、例年どおりの軟調な推移となった。 

 今後については、供給面では、順調な生産が期待される一方、猛暑の影響で大玉が減少、小玉が増加すると予想されている。

 需要面では、学校給食が停止する中、猛暑に伴う消費意欲の減退が懸念されている。よって、当面の間、鶏卵相場は軟調に推移するとの声が多い。
図7 鶏卵相場の推移(東京、M玉基準値)

資料:全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」
注1:消費税を含まない。
  2:平成23年上半期においては、東日本大震災の影響により、鶏卵の生産、出荷、流通が
   停滞したことにより、相場が上昇した。

6月の家計消費量、増加に転ずる

 鶏卵需要の約5割を占めると言われている家計消費について見ると、消費量については相場高や消費増税の影響もあり3月以降前年同月を下回って推移していたが、6月は、1人当たり850グラム(M玉換算で約14個相当。前年同月比3.0%増)と4カ月ぶりに前年同月を上回った。

 一方、家計消費金額(税込)は、1人当たり250円(同15.7%増)と、12カ月連続で前年を上回る好調な推移が続いている(図8)。

 この要因としては、消費増税に加え、食料品価格が全般的に上昇する中、安価な鶏卵への代替需要が高まったことによるものと考えられる。
図8 鶏卵の家計消費量および消費金額の推移
資料:総務省「家計調査報告」
注1:金額は消費税を含む。
  2:贈答用等自家消費以外のものを含む。

11カ月ぶりに鶏卵生産者経営安定事業が発動

 (一社)日本養鶏協会は7月1日、鶏卵生産者経営安定事業による7月の補塡価格は1キログラム当たり2.088円と発表した。標準取引価格(JA全農たまご株式会社の東日本営業本部及び西日本営業本部において販売された、鶏卵規格取引要綱に定める箱詰鶏卵規格及びパック詰鶏卵規格に定める全種類の鶏卵の加重平均価格)が、補塡基準価格(187円)を下回ったことから、平成25年8月以来の発動となった。

(畜産需給部 藤原 琢也)


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