2013/14年度の生乳生産、わずかに増加
デーリー・オーストラリア(DA)によると、2014年6月の生乳生産量は65万9100キロリットル(67万8900トン相当、前年同月比8.9%増)と、7カ月連続で前年同月を上回った(図22)。特に主要生乳生産州であるビクトリア(VIC)州は、前年同月を11.9%上回っており、豪州全体の生乳生産をけん引している。6月の降雨量は豪州全体では平年より少なかったものの、VIC州では平年並みの降雨が見られ、牧草の生育が良好となったため、生乳生産はこれに支えられる形となった。
この結果、2013/14年度(7月〜翌6月)の生乳生産量は、923万8600キロリットル(951万5800トン相当、同0.4%増)となった。年度前半(7月〜12月)は、前年度の気象条件の悪化の影響から、前年同期を下回ったものの、年度後半(1月〜6月)は回復に転じたため、年度累計では前年度をわずかに上回る生産量となった。
図22 生乳生産量の推移 |
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資料:DA
注:年度は7月〜翌6月 |
2013/14年度の乳製品輸出、価格は上昇も数量は減少
DAによると、2014年6月の主な乳製品の輸出量は、脱脂粉乳が1万5177トン(前年同月比92.5%増)、全粉乳が7287トン(同7.7%減)、バターが3836トン(同7.6%減)、チーズが1万5713トン(同25.3%減)となった(図23)。生乳生産は増加傾向にあるものの、乳製品の国際価格が下落傾向にあることなどから、輸出量は脱脂粉乳を除き前年同月を下回っている。
この結果、2013/14年度(7月〜翌6月)の主な乳製品の輸出量は、年度前半の生乳生産の減少に伴う輸出量の減少が影響し、いずれの品目も前年を下回った(図24)。一方、2013/14年度の主な乳製品の輸出価格は、いずれの品目も前年を上回っている。特に脱脂粉乳、全粉乳は、中国など新興国の粉乳需要の高まりを背景に、前年の1.5倍を超える水準となっている。
図23 乳製品輸出量の推移 |
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資料:DA
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図24 主な乳製品の年度別輸出量 |
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資料:DA
注:年度は7月〜翌6月 |
図25 主な乳製品の年度別輸出価格 |
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資料:DA
注:年度は7月〜翌6月 |
日本向けチーズ輸出、引き続き減少
豪州の最大の輸出品目であるチーズについて、日本向け輸出量の推移を見ると、減少傾向が顕著となっている(図26)。生乳生産は増加傾向にある一方、粉乳生産に生乳が仕向けられていることで、チーズの生産量そのものが減少傾向にあること、また、輸出量が減少している中で、相対的に中国など日本以外の新興国向け輸出の比重が増加していることなどが背景にある。輸出価格は、2013/14年度前半は、緩やかな上昇基調で推移したものの、2014年1月以降は、国際的な乳製品価格の下落傾向に伴い、緩やかに下落し、4月以降はほぼ横ばいで推移している。
図26 日本向けチーズの輸出量・輸出価格の推移 |
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資料:ABS |
(調査情報部 根本 悠) |