需給動向 国内

◆鶏 卵◆

6月の鶏卵卸売価格、不需要期を迎え、5カ月ぶりに低下


 平成27年6月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり223円(前年同月比24円高)と、200円を上回る高水準での推移が続いているものの、不需要期を迎え5カ月ぶりに前月を下回った(図8)。

 鶏卵卸売価格は、既報(本誌7月号)のとおり、例年、気温の上昇と共に生産が増加することに加え、鍋物などの冬季需要が減退することから、春から夏場にかけて低下する傾向にある。しかし、本年は、2月以降も上昇傾向で推移する異例の展開が継続していた。

 6月の動きを見ると、供給面では、採卵用ひなえ付羽数が増加しており、産卵の最適期を迎えているものの、気温の上昇に伴い小玉比率が増加していると言われている。需要面では、梅雨時を迎え量販店の特売需要が減退し、加工・業務筋(デザートなど)も末端消費が鈍化したことを受け、引き合いが弱まったものと考えられ、卸売価格の低下につながったものと思われる。

 例年、梅雨入りから夏場にかけて、家計消費が減少傾向で推移することに加え、一部外食店において持ち帰りが禁止されるなど、末端消費の低迷も予想されることから、今後の鶏卵相場は例年に準じた動きになると予想される。

図8 鶏卵卸売価格の推移(東京、M玉基準値)
資料:全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」
  注:消費税を含まない。
(畜産需給部 小林 智也)


元のページに戻る