需給動向 国内 |
農林水産省が平成27年6月30日に公表した「畜産統計」によると、同年2月1日現在の酪農家戸数は、1万7700戸(前年比4.8%減)と、前年から900戸減少した。全国の酪農家戸数は、厳しい経営環境の下、最近10年間で3分の2以下の水準まで減少した。また、乳用牛の飼養頭数も137万1000頭(同1.7%減)と、前年より2万4000頭減少した。 全国的に酪農家戸数、飼養頭数が減少 北海道の酪農家戸数は6680戸(前年比3.2%減)、飼養頭数は79万2400頭(同0.4%減)であった。酪農家戸数の減少率は、都府県の6.2%減よりは小さいものの、長期的に漸減傾向にある。飼養頭数も平成5年に92万7200頭でピークを迎えて以降減少傾向で推移し、前年に続き2年連続で80万頭を下回る結果となった。 地域別に見ると、沖縄を除く全ての地域で酪農家戸数、飼養頭数が減少し、中でも北陸および東海において飼養頭数の減少率が4.5パーセント超となった。 未経産牛は、ほぼ前年並みで推移 乳用牛飼養頭数の内訳を見ると、経産牛は86万9700頭(前年比2.7%減)となり、3年連続で減少した。未経産牛は50万1600頭(同0.1%増)とほぼ前年並みで推移した(図6)。飼養頭数は昭和60年をピークに減少傾向にある。今回は未経産牛が前年並みとなったが、最近の乳用牛への黒毛和種交配率は高い水準で推移しており、今後の安定した酪農生産基盤のためには、一層計画的な後継牛の確保が必要とされている。 1戸当たり飼養頭数拡大傾向は続く 1戸当たりの飼養頭数は77.5頭となり、前年から2.5頭増加した。内訳を見ると、北海道は118.6頭(前年比3.3頭増)、都府県は52.6頭(同1.4頭増)と、共に増加している(図7)。 飼料価格の高止まりや、後継者不足などによる中小規模酪農家の離農、メガファームの台頭などを考慮すると、今後も1戸当たり飼養頭数は拡大傾向で推移するものと考えられる。
(畜産需給部 岡 千晴)
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