需給動向 海外

◆ブラジル◆

2014年の輸出、ロシア向けがけん引


輸出量は減少も、輸出額は過去最高

 ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2014年の豚肉輸出量(調製品を含む)は、前年比4.3%減の48万1272トンとなった(表4)。

 国別に見ると、2012年に最大の輸出先であったウクライナ向けは、同国の政情不安で自国通貨グリブナの価値が低下したことから、前年比91.9%減の5490トンと大幅に減少した。一方、2013年以降最大の輸出先となったロシア向けは、同38.3%増の18万6503トンと大幅に増加した。ロシアは、2014年1月下旬にEU域内のポーランドやリトアニアでアフリカ豚コレラ(ASF)が発生したことを受けて、EU産豚肉の輸入を禁止し、調達先を確保すべくブラジルの新たな食肉施設を輸出認証施設に追加した。加えて、ロシアは、同年8月から欧米諸国に対して禁輸措置を講じたため、ブラジル産豚肉の引き合いが一層強まり、前年を大きく上回る価格での取引が行われた結果、全体の輸出額は、同17.3%増と過去最高を記録した。また、同年は、大豆やトウモロコシ相場が安く推移したことから、パッカーの多くは過去最高水準の収益を記録した。

表4 2013年および2014年の豚肉輸出内訳
資料:SECEX
HSコード:0203、020630、020649、02090011、021019、05040013。

 なお、日本向けは、2013年5月に解禁(口蹄疫ワクチン非接種清浄地域のサンタカタリーナ州産に限る)され、2014年は国際的な豚肉需給のひっ迫を受けて、3967トンに増加した。

今後の輸出見通し

 2014年末の原油価格の下落を受け、ロシアを含む産油国の購買力が相対的に低下し、以降2015年2月まで、ブラジルの豚肉輸出量は低調に推移した。しかしながら、同輸出量は、3月以降、産油国の経済状況が多少回復したことに加え、ロシアの豚肉在庫が減少したことを受けて回復基調にある。

 ブラジル動物性たんぱく質協会(ABPA)は、今後の輸出見通しについて、ロシアの禁輸措置の延長は追い風とする一方、中国政府が密輸食肉の取り締まりを強化した影響により、香港などを経由して流入していたとみられるブラジル産豚肉の輸出量が減少することを懸念している。

2015年の生産状況

 2015年1〜3月の豚肉生産量は、前年同期比4.9%増の79万4210トンとなった(図8)。背景には、2014年に引き続き、収益性が良好に推移し、生産意欲が増していることが挙げられる。

 また、同期間の国内の豚肉消費量(※)は同9.0%増の71万1432トンとなった。これは、同国でインフレによる食料品価格の上昇から、消費者が高価な牛肉よりも安価な豚肉や鶏肉を選択したためとみられる。

 なお、同国では、豚肉生産量の67%が加工に仕向けられており、生鮮食肉としての出回り量は少ない。最需要期は、7〜8月の冬季で、最大生産地である南部で最も消費されている。

※在庫量が不明であるため、国内消費量=生産量+輸入量−輸出量で算出。

図8 四半期別豚肉生産量の推移
資料:IBGE
  注:枝肉重量ベース。
(調査情報部 米元 健太)

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