需給動向 国内

◆豚 肉◆

5月の豚肉生産量および輸入量は減少し、
在庫は積み増す


 平成27年5月の豚肉需給は、生産量は前年同月をやや下回る6万8436トン(前年同月比4.7%減)、輸入量は前年同月をやや下回る6万8954トン(同4.8%減)、推定出回り量は前年同月をわずかに下回る13万1448トン(同0.5%減)となり、推定期末在庫は19万3824トン(同9.9%増)となった。推定期末在庫は前月から5915トンを積み増し、2カ月連続で積み増す結果となった(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

5月の省令価格、前年同月比13.2%安も依然として高水準

 例年、豚枝肉卸売価格(省令)は、と畜頭数が減少する6月に向けて上昇するが、その後は季節的に10月頃まで低下し、最大の需要期である12月に向けて上昇する傾向となっている。

 しかし、今年5月のと畜頭数は124万7006頭となり、5月としては直近5年間で最も少なかったにもかかわらず、同価格は1キログラム当たり534円(前年同月比13.2%安)と4月を52円下回った(図2、3)。

 関係者によると、5月は市中に輸入冷蔵品が多く出回り、荷余り感があったことから、国産品の引き合いも弱まり、同価格の低下につながったものとみられる。ただし、前年同月を下回ったものの、その前3年(23〜25年度)の5月の価格を上回る水準となった。

 なお、同価格は6月に入ってから500円台後半まで上昇し、中旬以降は600円を上回って推移したことから、6月平均(速報値)は同592円と、600円に迫る水準となった。5月と比較して6月に価格が上昇するのは季節性に準じた動きであるが、依然として高水準が継続している。

 価格水準は、需要と供給のバランスや、国産品と輸入品の供給環境など、さまざまな要因に影響を受けることから、引き続き生産および輸入の動向を注視する必要がある。

図2 豚枝肉卸売価格(省令)の推移
資料:農林水産省「食肉鶏卵速報」
  注:東京・大阪市場の省令規格加重平均値、直近月は速報値
図3 豚と畜頭数の推移
資料:農林水産省「食肉流通統計」
  注:直近月は速報値
(畜産需給部 山口 真功)

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