需給動向 国内 |
10月の鶏肉需要、牛・豚肉高で引き続き好調
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平成26年10月の鶏肉需給は、生産量13万786トン(前年同月比2.6%増)、輸入量4万7523トン(同32.5%増)、推定出回り量17万8699トン(同6.5%増)となり、推定期末在庫は12万2686トン(同2.2%増)と前月から390トンを取り崩した。 推定出回り量のうち、輸入品が4万7217トン(同21.0%増)、国産品が13万1482トン(同2.1%増)といずれも前年同月を上回って推移しており、牛・豚肉の相場高に伴い、安価な鶏肉への代替需要が増加していることがうかがえる。 また、推定期末在庫は、輸入品は10万4827トン(同13.3%増)とほぼ前月と変わらず、一方、国産品が1万7859トン(同35.3%減)と前月より696トン取り崩した。需要の増加に伴う凍結回しの減少により、国産品の在庫水準の低下が顕著となっている(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 このような状況の中、11月の卸売価格(東京)は、もも肉が1キログラム当たり634円(同1.9%安)と価格上昇に一服感がみられた。一方で、割安感のあるむね肉は加工向け需要が旺盛なほか、量販店などでの売れ行きが好調とみられ、同332円(同23.0%高)と24カ月連続で前年同月を上回った。 10月の鶏肉輸入量、2年ぶり高水準の4万7千トン台 輸入量を見ると、全体の8割を占めるブラジル産が3万9395トン(前年同月比19.6%増)と大幅に増加したほか、昨年12月におよそ10年ぶりに輸入解禁となったタイ産が5243トン、米国産が2351トン(同7.5%減)となった(図7)。輸入量が4万7千トン台となるのは、23年8月の4万7501トン以来であり、24年11月の4万6382トン以来の高水準となっている。現地相場高や為替の円安の進行を受けて、先高感が見込まれる中、国産品の在庫水準の低下や牛・豚肉との価格優位性による代替需要の増加を受けて、12月の最需要期に向けた手当てが活発化したものと思われる。 なお、加工処理された唐揚げ、焼き鳥、フライドチキンなどの鶏肉調製品の輸入量は3万6065トン(同9.9%減)となった。うち中国産が1万6286トン(同19.7%減)と2割減少した一方で、タイ産が1万9533トン(同1.7%増)となった。中国の使用期限切れ鶏肉混入問題を受けて、中国産からタイ産へのシフトが一部で進行していることがうかがえる。
(畜産需給部 藤戸 志保)
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