需給動向 海外

◆世 界◆

2014年のトウモロコシ生産量を上方修正


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が12月10日に公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2014/15年度)は、中国やウクライナで干ばつにより減産となったものの、米国やEUが天候に恵まれ記録的な豊作となったことから、前年度をわずかに上回る9億9158万トン(前年度比0.2%増)となる見込みである(表12)。前月の予測値と比較すると、アルゼンチンで下方修正されたものの、国内価格が高値により作付面積が増加している中国の上方修正などにより、世界の合計生産量では126万トン上方修正された。

 輸入量は、在庫量を多く抱えている中国や増産が見込まれるEUで減少することから、同11.4%減の1億1479万トンとしている。一方、輸出量は、主要輸入国からの需要の減少により同11.4%減の1億1479万トンと見込まれている。

 また、消費量は、米国や中国などで増加するとの見込みから、同1.9%増の9億7221万トンとしている。なお、期末在庫は、生産量が前月の予測から上方修正されたことにより、さらに積み増して同11.2%増の1億9220万トンと見込まれている。

表12 主要国のトウモロコシ需給見通し(2014年12月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

大豆生産、北米や南米で好調

 USDA/FASが12月10日公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量(2014/15年度)は、主要生産国である米国や南米に加え、ウクライナやカナダでも増加見込みであることから、前年度比9.6%増の3億1281万トンとしている(表13)。

表13 主要国の大豆需給見通し(2014年12月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

 輸出量は、米国の輸出が堅調であったことから前月の予測値が上方修正され、同3.0%増の1億1622万トンとしている。一方、輸入量は、同2.1%増の1億1277万トンとしている。

 また、消費量は、中国や米国、南米などで増加が見込まれることから、同5.0%増の2億5187万トンとしている。なお、期末在庫は、米国や南米で前年から大幅に積み増されると見込まれることから、同35.0%増の8987万トンとしている。

(調査情報部 渡邊 陽介)

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