米国農務省海外農業局（USDA/FAS）が6月10日に公表した「Grain：World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量（2015／16年度）は、米国やブラジルなどの主要生産国で記録的な豊作となった前年の水準を下回ることから、前年度比1.0％減の9億8930万トンと見込まれている（表11）。表11中の主要生産国では前月の予測値が据え置かれたものの、それ以外のEUなどで予測値が引き下げられたため、前月の予測値が下方修正された。

　輸出量は、主要輸出国である米国やブラジルの増加を受けて同2.8％増の1億2434万トンと見込まれている。一方、輸入量は、生産量が減少するとみられるEUなどからの需要増加により、同2.8％増の1億2434万トンと見込まれている。

　また、消費量は、ブラジルでの堅調な需要を反映して同1.5％増の9億9112万トンと見込まれている。期末在庫は、消費量が生産量を上回ることから、同0.9％減の1億9519万トンと見込まれている。

表11　主要国のトウモロコシ需給見通し（2015年6月10日米国農務省公表）

資料：USDA／FAS 　 注：各国の穀物年度　世界、米国、ウクライナ：9月〜翌8月/中国：10月〜翌9月/ 　　　　アルゼンチン、ブラジル：3月〜翌2月

大豆生産量は引き続き高水準を維持

　USDA/FASが6月10日に公表した「Oilseeds：World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量（2015／16年度）は、記録的な豊作となった2014年同様、主要生産国で生育が良好なことから前年度並みの3億1758万トンと見込まれている（表12）。

　輸入量は、中国の輸入量の増加により4.5％増の1億1973万トンと見込まれている。一方、輸出量は米国が減少するものの、南米の増加により同3.6％増の1億2215万トンと見込まれている。

　また、消費量は、中国の増加により同4.2％増の2億6779万トンとしている。なお、前回の予測値に比べ上方修正されている。

　期末在庫は、消費量が増加するものの、生産量が前年の高水準を維持することから積み増され、同11.4％増の9322万トンと見込まれている。

表12　主要国の大豆需給見通し（2015年6月10日米国農務省公表）

資料：USDA／FAS 注 1：各国の穀物年度　世界、米国、ウクライナ：9月〜翌8月/ 　 　　 中国：10月〜翌9月/アルゼンチン、ブラジル：3月〜翌2月 　　2：消費量は搾油仕向量である。