需給動向 海外 |
2015年2月の鶏肉生産は前年並みも、
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2015年1〜2月の鶏肉生産量は前年並み タイ農業・協同組合省によると、2015年2月の鶏肉生産量は前年同月比0.1%増の14万3677トン、同年1〜2月の累計では、前年同期比1.5%増の27万9570トンとなった(図15)。 鶏肉生産量はEUがタイ産生鮮鶏肉(注)の輸入を解禁した2012年以降、堅調な輸出需要を背景に継続的に増加してきたが、2015年に入り、需要が一巡したため前年並みの水準で推移している。 (注)ここでいう「生鮮鶏肉」とは、加熱加工していない鶏肉で、主に、生で加工処理され冷凍したものである。
鶏肉輸出量は日本向けが増加 2015年2月の鶏肉輸出量は、冷凍鶏肉(カット品)、冷凍加塩鶏肉および鶏肉調製品の輸出が好調となったことから、全体では5万642トン(前年同月比28.2%増)と大幅に増加した(図16)。
品目別で見ると、冷凍鶏肉(HSコード:020714(カット品))が1万2913トン(前年同月比110.6%増)と倍増した(図17)。この増加は、2013年末に10年ぶりに輸出再開となった日本向けが5575トンと前年同月比で約8倍と大幅に増加したことによるものである。日本向け輸出量は昨年6月以降、毎月5500トンを超えて推移しており、当面、この水準を維持すると見込まれる。
冷凍加塩鶏肉(HSコード:021099)は、輸出の9割以上を占めるEU向けの増加により、7002トン(同115.0%増)と倍増した(図18)。
鶏肉調製品(HS:160232)は、3万727トン(同2.0%増)とわずかに増加した(図19)。このうち、日本向けが1万4292トン(同19.5%増)と大幅に増加したが、EU向けは1万3213トン(同10.3%減)とかなり減少した。これは、EU向けの鶏肉調製品の一部が、冷凍鶏肉や冷凍加塩鶏肉に置き換わっていることによるものである。
2015年の輸出量は、日本、韓国向けを中心に増加の見通し ブロイラー輸出業者協会によると、バーツに対し為替相場がユーロ安および円安で推移していることにより、日本やEUにおける輸入価格が上昇する懸念があり、輸出業者は各国の輸入業者から値下げ圧力を受けているという。なお、1月から3月は例年受注量が減少する時期であるため、為替の影響が主に現れるのは、3月以降になるとされている。 一方、同協会は、2015年の鶏肉輸出量について、日本向けの増加と韓国向け生鮮鶏肉輸出の再開により、2014年よりも増加すると予想している。日本向けについては、鶏肉調製品の輸出量は前年並みとみられるが、2013年末に輸出が解禁された生鮮鶏肉は順調な伸びを見せているため、2015年も引き続き増加するとしている。また、韓国は現在、タイ産生鮮鶏肉の輸入を禁止しているが、2015年中には解禁が見込まれていることから、一部のタイの業者は、今後、韓国向けの生産量を増やすとみている。 (調査情報部 中島 祥雄)
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