需給動向 国内 |
平成26年度の生乳生産量は、733万871トン(前年度比1.6%減)となり、2年連続で前年度を下回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。月別に見ると、26年4月から27年1月まで10カ月連続で前年同月を下回ったが、減少幅は徐々に縮小し、2月には前年同月並みの水準となった(図4)。 北海道、都府県ともに減少 地域別では、北海道が382万209トン(前年度比0.7%減)、都府県が351万662トン(同2.4%減)となった。全国的に酪農家戸数が減少する中、1戸当たりの飼養頭数が増加する傾向が続いていたが、近年は労働力不足や生産コストの上昇などにより規模拡大も伸び悩んでいる。また、北海道の生乳生産量のシェアは22年度に都府県を超え、その後も拡大している(図5)。なお、月別の生乳生産量は、北海道は26年11月以降5カ月連続で前年同月を上回って推移しており、今後の生産回復が期待される。 牛乳等向け処理量はわずかに減少 生乳の用途別処理量は、牛乳等向け(注1)が391万160トン(前年度比1.4%減)となった(図6)。処理量が減少した背景には、牛乳や成分調整牛乳などへの需要低迷の長期化があり、牛乳等の生産量を見ると、仕向け先の過半を占める牛乳が、同1.0%減(299万4450トン)で3年連続の減少、加工乳・成分調整牛乳が同3.2%減(46万810トン)で4年連続の減少、さらには前年度まで堅調であった乳飲料も同3.2%減(132万2360トン)と5年ぶりに減少に転じている。 脱脂粉乳・バター等向けはやや減少 乳製品向け(注2)処理量は、336万1200トン(前年度比1.9%減)と2年連続で減少した。このうち、チーズ向けは48万5976トン(同3.1%減)と減少したが、クリーム等向けが132万3203トン(同2.0%増)と伸びたことから、脱脂粉乳・バター等向けは153万7298トン(同4.1%減)と落ち込んだ。 (注1)牛乳、加工乳、成分調整牛乳、乳飲料、はっ酵乳などの生産に使用
(畜産需給部 岡 久季)
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