需給動向 海外

◆米 国◆

2014/15年度のトウモロコシの生産見込みを据え置く


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2月10日、2014/15穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通しを公表した。このうち、米国のトウモロコシについて、既に収穫が終了していることから生産量は前月の値に据え置かれた。

エタノール向けは増加見通し

 2014/15年度の米国のトウモロコシ生産量は、収穫面積および単収ともに前月値が据え置かれたことから、前年度比2.8%増の142億1600万ブッシェル(3億6109万トン)とされた(表14)。

 消費量は、原料となるトウモロコシの価格安やガゾリン消費量の増加に伴い今後、ガソリンへのエタノール混合量が増加するとみられることから、エタノール向けが上方修正された。また、景気の回復見込みを受け、食品等向けなども上方修正されたことから、同3.1%増の118億9500万ブッシェル(3億213万トン)とされた。期末在庫は消費量が上方修正されたことにより、前月から5000万ブッシェル(127万トン)減少し18億2700万ブッシェル(4641万トン)となった。生産者平均販売価格は、エタノール向け需要増などを受け前月から上・下値ともに修正され1ブッシェル当たり3.40〜3.90ドル(405〜464円:1米ドル=119円)と見込まれている。

表14 米国のトウモロコシの需給見通し(2015年2月10日米国農務省公表)
資料:USDA/WAOB「World Agricultural Supply and Demand Estimates」
  注:年度は、各年9月〜翌8月

対日輸出量は前年同期比3割増

 USDAが毎週公表しているトウモロコシ輸出報告によると、2014年9月から2015年1月までの輸出量は前年同期比4.9%減の1393万トンとなった(図27)。この減少要因は、南米産トウモロコシ価格が安値で推移していることから、米国産の輸出競争力が低下していることが挙げられる。一方、日本向け輸出量は同33.5%増の379万トンと大幅な増加となり、2011/12年度の水準まで米国産シェアが増加するものとみられる。

図27 トウモロコシ輸出量の推移
資料:USDA
(調査情報部 山神 尭基)

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