需給動向 海外

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2014年の肉牛飼養頭数は減少する一方、
牛肉輸出量は高水準で推移


2014年の肉牛飼養頭数、8年連続で減少

 ビーフ・アンド・ラム・ニュージーランド(BLNZ)によると、2014年6月末時点の肉牛飼養頭数は364万頭(前年比1.7%減)と、2007年以降8年連続で減少となった(図7)。また、地域別では、北島が258万頭(同1.5%減)、南島が105万頭(同2.2%減)となった。

 頭数減少の要因として、肉牛の7割が飼養されている北島での2013年前半(夏〜秋)にかけての干ばつによる淘汰や、好調な乳製品需要を背景とした酪農経営の拡大による肉牛経営の減少が挙げられる。このため、乳牛飼養頭数は肉牛と対照的に増加しており、2014年6月末時点で675万頭(同4.1%増)となった。

図7 肉牛飼養頭数の推移
資料:NZ統計局(Statistics NZ)(2013年以前)、BLNZ(2014年)
  注:各年6月末時点、2014年は暫定値。

輸出向けと畜頭数、干ばつと乳価の下落を反映して増加

 BLNZによると、2014/15年度(10月〜翌9月)の輸出向け牛と畜頭数(肉牛および乳牛)は、236万4000頭(前年度比1.3%増)と見込まれている(図8)。

 このうち、経産牛は96万8000頭(同4.0%増)、未経産牛は42万4000頭(同4.1%増)と、ともに増加見込みである。これらは、2015年夏季(1〜2月)の南島中部の干ばつと2014年後半からの乳価の大幅な下落により、酪農部門からの早期出荷の増加によるものとみられている。

 一方、肉牛経営の減少傾向を反映し、輸出向け去勢牛のと畜頭数は52万5000頭(同6.0%減)と減少が見込まれている。

図8 輸出向け牛と畜頭数の推移
資料:BLNZ
注1:年度は10月〜翌9月。2014/15年度は見込み。
  2:子牛を除く。

牛肉輸出は引き続き高水準、単価は大幅高

 2014/15年度の牛肉輸出量についてBLNZは、39万5100トン(同1.2%増)と見込んでいる(図9)。ただし、2015年3月から4月にかけて乾燥気候が続けば、と畜頭数が増加し、輸出量もさらに増加する可能性があるとしている。

 また、牛肉輸出単価(FOB)は1トン当たり7617NZドル(70万1000円:1NZドル=92円、同30.7%高)と、大幅な上昇を見込んでいる。BLNZでは上昇の要因として、米国国内の牛肉供給の減少に伴う牛肉価格の上昇と、米ドルに対しNZドル安で推移する為替相場の2点を挙げている。

図9 牛肉輸出量および輸出単価の推移
資料:BLNZ
注1:子牛肉を除く、船積重量ベース。
  2:年度は10月〜翌9月、2014/15年度については見込み。
(調査情報部 竹谷 亮佑)


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