需給動向 国内 |
鶏肉推定期末在庫、国産品の品薄感続く
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平成27年2月の鶏肉需給は、生産量11万7302トン(前年同月比3.1%増)、輸入量4万1164トン(同27.4%増)、推定出回り量15万8967トン(同8.9%増)となり、推定期末在庫は前月より501トンを取り崩し、12万4017トン(同13.0%増)となった(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 推定出回り量の内訳を見ると、国産品は11万7910トン(同4.6%増)、輸入品は4万1057トン(同23.2%増)といずれも増加した。 27年2月の総務省の家計調査報告によると、鶏肉消費量の約4割を占める家計消費において、全国1人当たりの鶏肉購入数量が1カ月当たり423グラム(同4.5%増)と好調に推移しており、牛肉(同7.3%減)および豚肉(同4.0%減)の消費量が、小売価格の上昇などを背景にいずれも減少する中、安価な鶏肉への代替需要が増加していることがうかがえる。 推定期末在庫の内訳を見ると、国産品は1万4850トン(同36.9%減)、輸入品は10万9167トン(同26.7%増)であった。消費者の国産志向が強まっていることもあり、国産品の品薄感が続いている(図4)。
家畜衛生部会、英国のコンパートメント制度導入を了承 農林水産省は、27年3月25日、食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会を開き、英国における鳥インフルエンザ発生時であっても、同国政府認定のコンパートメント(注)施設からの種鶏初生ヒナの輸入を認めることを答申した。英国でのコンパートメント施設認定は、現時点では大手の種鶏初生ひな供給事業者1社(Aviagen社)が対象となっており、エリートストック農場や原原種鶏農場、原種鶏農場など計57施設にのぼる。農林水産省は、この答申に基づき、今後、日英間での家畜衛生条件設定に向けた協議を進める方針だ。 わが国は、26年11月17日付けで、英国におけるH5N8亜型の高病原性鳥インフルエンザ発生の確認を受け、同国からの生きた家きんの輸入を停止した。既に27年2月19日付けで、同国ハンプシャー州を除き輸入停止措置が解除されたものの、この停止期間(3カ月間)に、米国種の原種鶏約1万2000羽が輸入されており、28年3月から4月頃には、わが国で飼育されるチャンキー種の4割が米国種由来になることが見込まれている。育成率が高いとされる英国種からの一部転換の動きは、今後の鶏肉生産への影響を与えるものとして懸念する声も聞かれる。 世界有数の家きん育種企業が所在する英国に、肉用原種鶏の約9割を依存しているわが国にとって、コンパートメント制度の導入は、家きんの伝染性疾病の侵入を防止しつつ、鶏肉の安定供給に大きく寄与するものである。 注: コンパートメント制度とは、高度なバイオセキュリティにより当局が清浄性を認めた施設 (畜産需給部 二又 志保)
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