需給動向 国内 |
平成27年2月のはっ酵乳生産量は7万7282キロリットル(前年同月比2.4%減)と、3カ月ぶりに前年同月を下回った。年度の推移を見ると26年度(4月〜翌2月)は91万6193キロリットル(前年同期比0.2%減)と、21年度から連続して伸びていた生産量も前年度並みとなった(農林水産省「牛乳乳製品統計」、図5)。
はっ酵乳は食習慣に定着 飲用牛乳等の生産量が漸減傾向で推移しているのとは対照的に、はっ酵乳の生産量は、25年度まで堅調な伸びを見せていた。特に機能性ヨーグルトがマスコミで取り上げられた24年1月頃から需要が高まり、年度生産量では24年度が98万7772キロリットル(前年度比10.3%増)と2桁の伸び率となり、25年度は100万5659キロリットル(同1.8%増)と初めて100万キロリットルを超えた。 26年3月以降は、おおむね前年同月に近い水準で推移しているが、これは近年の伸びが一過性のものではなく、広く消費者の食習慣として定着したことの表れと考えられる。 価格は低下傾向で推移 27年2月分のヨーグルト(はっ酵乳)の価格指数(22年平均を100とした場合)は、94.8となり、26年2月の93.4と比べ、指数比率で1.5パーセントの上昇となった(総務省統計局「消費者物価指数」、図6)。消費増税の影響などで前年同月は上回ったものの、依然100を下回っていることから、長期的には販売競争の激化に伴い、低下傾向で推移している。今年4月から大手乳業各社が実施した値上げが、今後の消費動向にどの程度影響を与えるかが懸念される。
国内の脱脂粉乳の約半分を、はっ酵乳・乳酸菌飲料として消費 機構が実施した「平成25年度乳製品の流通実態調査」では、国内における脱脂粉乳消費量のうち48.4%がはっ酵乳・乳酸菌飲料として使用されていることがわかった(表1)。 脱脂粉乳の卸売価格(消費税を含む大口需要者価格)を見ると、27年2月には25キログラム当たり1万6856円(前年同月比7.1%高)と過去最高となり、原料高によるはっ酵乳の生産動向にも影響を及ぼす状況となっている。
(畜産需給部 岡 久季)
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