需給動向 海外 |
豚飼養頭数の増加に伴い、肥育豚価格が下落 |
豚飼養頭数は増加傾向で推移 カナダ統計局(Statistics Canada)が3月5日に公表した「Hog Statistics」によると、2015年1月1日現在の豚の飼養頭数は、前年比1.7%増の1316万5000頭となり、2013年7月以降増加傾向で推移している。その内訳を見ると、繁殖豚が121万9700頭(同0.5%増)、肥育豚が1194万5300頭(同1.9%増)となった(表2)。増加の要因として、主要輸出先である米国の豚肉価格上昇による生産者の増産意欲の高まりが挙げられる。主要生産州別に見ると、
と軒並み増加した。 また、カナダ農務農産食品省(AAFC)が公表している「Red Meat Market Information」(2015年4月5日時点)によると、2015年2月の肥育豚価格は、生産量の増加により、前年同月比6.1%安の1キログラム当たり1.56カナダドル(150円:1カナダドル=96円)となり、1年10カ月ぶりに前年の価格を下回り、さらに3月は同26.1%安の同1.54カナダドル(148円)となった(図12)。
2015年豚肉生産量は好調にスタート 2015年2月の豚と畜頭数は、前年同月比3.7%増の164万4000頭となり、前月に引き続き前年同月実績を上回った。また、同月の豚肉生産量は、同7.4%増の16万4000トン(速報値)となった(図13)。今後も、飼養頭数が増加し、飼料穀物価格も安値で推移すると見られることから、2015年の豚肉生産量は増加が見込まれている。
輸出量、ロシアの減少分を米国などで補いきれず 2015年2月の豚肉輸出量は、前年同月比7.4%減の6万8500トンとなり、2カ月連続で前年を下回った(図14)。輸出先国別に見ると、最大の輸出先である米国向けが同31.4%増となったほか、日本(同15.9%増)、メキシコ(同49.5%増)向けも増加したものの、2014年6月には1万4900トンの輸出先となっていたロシアが、ウクライナ情勢を契機として、同年8月以降カナダを含めた国からの農畜産物の禁輸措置を講じたことによる影響が及んでいる。今後もロシアや中国向けの輸出は低調に推移するとみられ、2015年通年の輸出量は前年を下回ると見込まれている。
(調査情報部 渡邊 陽介)
|
元のページに戻る