需給動向 国内 |
2月の豚肉輸入量は前年同月比5.6%の減少 |
平成27年2月の豚肉需給は、生産量は前年同月をやや下回る7万179トン(前年同月比4.4%減)、輸入量は前年同月をやや下回る5万3963トン(同5.6%減)、推定出回り量は前年同月をやや下回る12万9413トン(同3.3%減)となり、推定期末在庫は前月から5305トンを取り崩し、17万9343トン(同11.5%増)となった(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 2月の輸入量はやや減少も、米国産冷蔵品は前月を上回る 2月の輸入量は、冷蔵品が2万579トン(同20.9%減)と大幅に減少したものの、冷凍品が3万3384トン(同7.2%増)とかなりの程度増加した結果、合計では5万3963トン(同5.6%減)とやや減少するにとどまった。冷蔵品は、米国産輸入量が1万2767トン(同24.4%減)と大幅に減少したことが響いたが、前月比では4155トン増加しており、米国西海岸港湾における物流は、正常化に向かっていることがうかがえる。 2月の豚と畜頭数は前年同月比4.4%の減少 2月の豚と畜頭数は、128万2043頭(同4.4%減)と前年同月をやや下回った。と畜頭数には一定の季節性があり、年によって差はあるものの、各年ともおおむね同様の傾向で推移している(図3)。 26年度の実績は2月分まで公表されたところであるが、年度当初の4月から2月まで、前年同月を1度も上回ることなく推移した。また、21年度から25年度の過去5年平均と比較しても、上回ったのは7月のみであった。 7月のと畜頭数が過去5年平均を上回った理由を、8月のと畜頭数が例年より少ないことと併せて推察すると、ここ数年のような猛暑とならなかったこと、地域によっては冷夏であったことにより生育が順調だったため、当初8月出荷予定だったものが、一部で早めに出荷された影響によると考えられる。 一方で、26年度の特徴的な動きとなった11月およびその前後には、春頃に全国的に拡大した豚流行性下痢(PED)により、子豚が多数死亡した影響が大きく現れた。例年であれば、年間を通じてと畜頭数が最も多い時期であるが、特に影響のピークだった11月は、前年より約20万頭少ない128万8119頭(同13.9%減)と、かなり大きく減少した。 年が明けた1月は同7.2%減、2月は同4.4%減、まだ速報値であるものの、3月は同1.0%減と、徐々に前年並みの水準に近づいている。しかし、PEDに感染した母豚は、回復後も受胎率や産子数の低下といった影響が残ると言われており、今後のと畜頭数に注意する必要がある。
(畜産需給部 三田 修司)
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