需給動向 国内 |
平成27年9月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、6カ月連続して前年同月を上回る1キログラム当たり247円(前年同月比16円高)と、依然として高水準で推移した(図6)。 27年の同価格は、梅雨入り以降、テーブルエッグ、加工・業務筋ともに需要が鈍化し、7月までは下げ基調での推移となった。 9月に入ると、暑さが和らいだことにより、卵重、産卵率ともに回復に向かったものの、大幅な増産につながっていない中、コンビニエンスストアからのおでんの需要による引き合いが高まるなど、引き続き旺盛な需要が続いているため、同価格は上げ基調の展開になっている。 今後については、供給面では、産地の気温低下に伴い、卵重、産卵率のさらなる回復が予想されることから、ある程度の生産量が確保されると見込まれる一方で、需要面では、おでんなどの季節商材の需要が高まり、さらに年末の最需要期を迎えるため、量販店、加工・業務筋からも一定の引き合いが継続すると思われる。 そのため、今後の鶏卵相場は、上昇基調で推移するとの見方が多い。 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉、大筋合意に至る 平成27年10月5日、TPP交渉が大筋合意に至った。現行、鶏卵については、殻付き卵、全卵、卵黄、卵白に8〜21.3%の関税率が設定されている。今回の大筋合意で、協定発効後、殻付き卵、全卵および卵黄については段階的に13年目に関税が撤廃され、卵白については即時撤廃されることとなった。 (畜産需給部 小林 智也)
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