需給動向 国内 |
平成28年7月5日に農林水産省が公表した「畜産統計」によると、同年2月1日現在の採卵鶏の飼養戸数は、後継者不足などによる廃業により、2年前の前回(平成26年2月1日現在調査、以下同じ。)から120戸減少して2440戸(前回比4.7%減)となり、減少傾向が継続している(図7)。
一方、飼養羽数は、1億7334万9000羽(同0.6%増)と増加した。このうち、成鶏めすは1億3456万9000羽(同0.8%増)となった。成鶏めす飼養羽数を飼養規模別に見ると、10万羽以上の階層において同6.3%増とかなりの程度増加したが、それ以外の全ての階層で減少となった(表7)。特に1万〜4万9999羽および5万〜9万9999羽以下の階層で減少幅が10%を超えている。飼養規模別飼養羽数の全国割合において、10万羽以上の階層は前回から3.9ポイント増加し、73.9%を占めるなど、大規模生産者の割合が伸びていることが分かる。
1戸当たり成鶏めす飼養羽数は5万5200羽となり、前回から3000羽増加し、採卵鶏農家の大規模化が進展していることが伺える結果となった。
成鶏めす飼養羽数は主要産地の関東・東山、東海、東北などで増加
全国農業地域別に見ると、採卵鶏の飼養戸数は前回並みとなった北陸、沖縄以外の全ての地域で減少した。
また、成鶏めす飼養羽数は、九州、北海道、四国、沖縄で減少したものの、主要産地の関東・東山、東海、東北を含むその他の地域では増加する結果となった。飼養戸数および成鶏めす飼養羽数ともに前回より減少しなかったのは北陸のみで、成鶏めす飼養羽数は5.1%の増加となっている。
なお、成鶏めす飼養羽数の構成比に大きな変化はなく、平成28年は関東・東山(24.6%)、東海(14.5%)、九州(13.6%)、東北(13.5%)の順となっている(表8)。
(畜産需給部 小林 智也)