需給動向 海外

◆中 国◆

第3四半期までの輸入量は大幅増、国内価格は下落基調で推移


豚肉輸入量は過去最高水準

2016年1〜9月の豚肉輸入量は、国産豚肉供給に制約があることから、前年同期比146.7%増の127万8519トンと大幅に増加し、過去にない水準となっている(表8)。輸入先国別に見ると、引き続きEU諸国の伸びが著しいが、主要国で最も高い増加率を示しているカナダは、前年同期比286.0%増の13万7676トンとなった。

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主要国のほとんどは、第3四半期時点で昨年全体の輸入実績を超える勢いを見せている。また、今年に入ってからのブラジル産の伸びが著しく、総量は比較的少ないものの、第3四半期までで昨年の輸入量全体の19倍となる6万1037トンが輸入されている。

繁殖用母豚頭数はいまだ増加に転じず

一方、中国農業部によると、豚飼養頭数は今年2月以降増加傾向で推移しており、例年と同様、年末の需要期に向けて徐々に頭数を伸ばしている(図12)。ただし、本格的な国内豚肉生産の回復には繁殖用母豚頭数の増加が必須であるものの、母豚頭数は依然として低水準で推移しており、9月は前年同月比3.6%減の3713万頭となっている。

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第2〜3四半期の国内価格は下落

生体豚出荷価格は、今年5月に1キログラム当たり21元(336円:1元=16円)に近い水準まで上昇した後、下降に転じており、10月第1週の平均価格はおよそ17元(272円)とされている(図13)。

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豚肉小売価格は、高水準で推移しているものの、2016年6月以降は生体豚出荷価格同様に下落傾向となっている(図14)。国内価格が下がり始めているものの、未だ内外価格差は大きい。

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部位や取引条件によっても異なるが、現地関係者によると、と畜後の国内産豚肉調達コストは合計でおよそ1キログラム当たり22元(352円)であるのに対し、今年10月中旬の輸入豚肉価格(注)は同16.5元(264円)と、内外価格差はおよそ5〜6元程度といわれている。

なお、ラボバンクは豚肉の最需要期である旧正月を控えた第4四半期の価格は、例年通り一時的に上昇する可能性があるとみている。

(注):この場合の輸入豚肉価格は、2号肉と呼ばれる肩肉と4号肉と呼ばれる腿肉について、通関時CIF価格に、関税、増値税、輸入代行手数料や国内輸送費を加えた工場渡価格である。

USDAは2017年の国内生産が一定程度回復すると予測

USDAが10月に公表した需給予測によると、中国の豚肉生産は、高水準で推移する価格に後押しされて回復するとみられている(表9)。2017年は、飼養頭数の回復とともに生産量は5375万トンまで回復し、高価格のため落ち込んでいた消費も価格の下落とともに回復すると見込んでいる。

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また、豚肉生産量の回復に伴って、輸入量はわずかに減少するとしている。

(調査情報部 木田 秀一郎)


				

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