需給動向 国内

◆鶏 卵◆

平成27年の鶏卵卸売価格、前年比6円高の228円


 平成27年12月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり255円(前年同月比7円高)と、9カ月連続して前年同月を上回る高水準で推移している。この結果、27年の平均価格は同228円となり、前年を6円上回った(図10)。

 27年の同価格の推移を見ると、1月は、例年同様、前月から大きく低下した金額で始まったものの、3月〜5月にかけて例年と異なる動きとなった。例年は2月に価格が上昇した後、不需要期の梅雨頃まで下げ基調で推移するが、27年は、2月を超えても弱含むことなく5月まで価格が上がり続けた。その後、梅雨入り後の7月まで低下傾向で推移したが、全国的な高温の影響による生産量減少などから、8月後半以降上昇に転じた。

 秋以降は、気温の低下に伴い、卵重に加え産卵率も回復傾向となり、一定の生産量が確保されたが、テーブルエッグ、加工・業務用ともに需要が引き続き旺盛となり、前年を上回る水準で堅調に推移した。

 しかし、11月に入ると、生産が安定的に推移したことから、加工・業務用の引き合いが一服し、同価格は横ばいでの推移となった。最需要の12月は、量販店での特売やおでん、鍋の季節需要などにより同価格は上昇したものの、前月比3円高と小幅な動きとなった。

補塡基準価格、安定基準価格が決定

 平成27年12月18日、農林水産省は「平成28年度鶏卵生産者経営安定対策事業」のうち、「鶏卵価格差補塡事業」に係る補塡基準価格および「成鶏更新・空舎延長事業」の発動基準となる安定基準価格を決定した。補塡基準価格は27年度を1円上回る1キログラム当たり189円、安定基準価格は同2円上回る同169円となった。

(畜産需給部 小林 智也)


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