需給動向 海外

◆米 国◆

米国の期末在庫はさらに積み増す見込み


 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は12月9日、2015/16穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通しを公表した。

輸出量の下方修正分がエタノール用途の上方修正分を上回る

 USDAは、通常、翌年1月に最終となるトウモロコシ生産量の見込みを公表するまで、10〜12月の生産量見込みを据え置くこととしており、2015/16年度についてもこれが踏襲された。(表7)。

消費量の見込みのうち、飼料等向けは前月値に据え置かれたが、エタノール向けは前月よりも2500万ブッシェル(64万トン)上方修正された。エネルギー省エネルギー情報局(EIA)によれば、2015年1〜9月のエタノールの国内消費量は、前年同期比3.6%増で推移しており、今回の修正はこのような好調な国内消費を反映したものとみられる。

 輸出量は、為替レートが米ドル高であり、ブラジルとの競争が激化していることから、前月より5000万ブッシェル(128万トン)下方修正され、17億5000万ブッシェル(4445万トン)と見込まれている。

 この結果、期末在庫は、前月予想をさらに2500万ブッシェル(64万トン)積み増し、前年度比3.1%増の17億8500万ブッシェル(4534万トン)と見込まれた。

生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり3.35米ドル〜3.95米ドル(1キログラム当たり16.3円〜19.3円:1米ドル=124円)に据え置かれた。

(調査情報部 平石 康久)

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