需給動向 海外

◆世 界◆

2015/16年度のトウモロコシの輸出量を前月予測から下方修正


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が12月9日に公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、2015/16年度の世界のトウモロコシ生産量は、EUやインドの天候不順や、アルゼンチンでの収益性の低下による作付面積の減少などから、前年度比3.5%減の9億7387万トンと見込まれている(表5)。

 輸出量は、ブラジルの生産量が引き続き高い水準で推移していることで、輸出量も大幅に増加すると見込まれており、これが他国の減少分を補って、ほぼ前年度並みの1億2774万トンが見込まれている。一方、輸入量は、EUが生産量の減少で輸入需要を高めていることから、ほぼ前年度並みの1億2774万トンと見込まれている。

 消費量は、中国で前年度比5.9%増が見込まれるものの、新興国の経済不安による畜産物需要の停滞から、同0.5%減の9億7020万トンと見込まれている。生産量は減少するものの、依然として消費量を上回ることが見込まれるため、期末在庫は前年度からさらに積み増し、同1.8%増の2億1185万トンと見込まれている。

大豆の生産量も前月見込みからわずかに下方修正

 USDA/FASが12月9日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、2015/16年度の世界の大豆生産量は、ブラジルで増加が見込まれることなどから、3億2011万トンと前年度を0.3%上回るものの、インドで生産地での天候不順により、単収が下方修正されたことが影響し、前月見込みからわずかに下方修正された(表6)。

 輸出量は、米ドルに対する通貨安などにより、アルゼンチンが前月よりも50万トン上方修正されるなど割安感の出ている南米産が増加することで、前年度比2.9%増の1億2962万トンと見込まれている。輸入量は、中国の堅調な需要に支えられ、同4.0%増の1億2676万トンと見込まれている。

 消費量は、主要消費国である中国などで引き続き増加していることから、同4.3%増の2億7373万トンと見込まれている。この結果、期末在庫は前月から下方修正され、同6.3%増の8258万トンと見込まれている。

(調査情報部 平石 康久)

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