需給動向 国内 |
平成27年の肉用若鶏、処理羽数・重量ともに4年連続で増加 |
平成28年4月の鶏肉需給を見ると、生産量は13万1630トン(前年同月比3.7%増)と前年同月をやや上回り、輸入量は4万7169トン(同2.1%増)と前年同月をわずかに上回った。推定出回り量は17万8945トン(同2.1%増)と前年同月をわずかに上回り、推定期末在庫は前月から146トンを取り崩したものの、前年同月を大幅に上回る15万6298トン(同35.7%増)と依然として高い水準となった(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。
鶏肉の推定出回り量、11カ月連続で前年同月を上回る
鶏肉の推定出回り量は、牛・豚肉との価格優位性を受けた代替需要や消費者の健康志向により、28年4月まで11カ月連続で前年同月を上回って推移している(図5)。このうち、約7割を占める国産品は、13万101トン(前年同月比2.9%増)とわずかに増加し、約3割を占める輸入品は、加工業務用筋を中心に堅調な需要が続いており、前年同月並みの4万8844トンとなった。
処理羽数・処理重量ともに肉用若鶏は増加、廃鶏は減少
平成28年5月20日に農林水産省が公表した「食鳥流通統計調査(平成27年)」によると、27年の食鳥処理羽数は7億5106万羽(前年比1.0%増)、処理重量は213万トン(同1.6%増)といずれも前年をわずかに上回った(図6)。
このうち、全体の約9割を占める「肉用若鶏(ふ化後3カ月齢未満)」は、処理羽数が6億6686万羽(同1.3%増)、処理重量が197万3千トン(同1.8%増)といずれも前年をわずかに上回り、4年連続の増加となった。処理羽数の増加は、堅調な鶏肉相場を受けて生産者の増産意欲が高まったためとみられる。また、1羽当たりの処理重量についても、近年、品種改良により増体能力が高まっていることから、2.96キログラム(同0.5%増)と4年連続で前年を上回った。
なお、全体の約1割を占める「廃鶏(採卵鶏または種鶏を廃用した鶏)」の処理羽数は7811万羽(同1.3%減)、処理重量は13万9千トン(同0.8%減)であった。27年は、鶏卵卸売価格が堅調に推移したため、一部生産者の成鶏更新繰り延べなどが影響して減少したと考えられる。
(畜産需給部 河村 侑紀)
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