需給動向 国内 |
平成28年5月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり204円(前年同月比26円安)と、200円を超える高水準となっているものの5カ月ぶりに前月を下回った(図10)。
既報(6月号)のとおり、同価格は、例年、春から夏場にかけて、気温の上昇とともに生産量が増加する一方で、鍋物などの季節需要が減退することから低下する傾向にあるが、本年は、昨年に引き続き、2月以降も下がることなく推移していた。しかし、5月は、産卵に適した温暖な気候で推移したため、生産量は増加傾向になったと思われ、大型連休の行楽需要なども落ち着いたことから、例年同様に同価格が低下する展開となった。
今後については、供給面では、採卵用ひなえ付け羽数が増加していることから、生産量は増加傾向で推移する見込みである。一方、需要面では、梅雨に入り、家庭での消費が減退すると見込まれることに加え、一部外食店において生卵の持ち帰りが禁止されるなど、末端消費の低迷も予想される。
平成27年のマヨネーズ・ドレッシング類の生産量、過去最高を更新
全国マヨネーズ・ドレッシング類協会によると平成27年のマヨネーズ・ドレッシング類の生産量は41万43トンとこれまで過去最高であった前年を0.3%上回り、過去最高を更新した(図11)。
種類別生産量では、鶏卵が原材料として用いられることが多いマヨネーズが過半を占めており、21万4783トン(同0.7%増)となっている。マヨネーズは、日本で最初に発売されてから約90年経っているが、近年、用途は広がり、野菜サラダでなく、お好み焼き、握り寿司、スナック菓子、チャーハン、ピザなど、さまざまな料理に使用されるようになっている。今後、マヨネーズ・ドレッシング類市場が堅調に拡大していくことで、鶏卵生産量の約50%が仕向けられている業務・加工用需要も高まっていくと予想される。
(畜産需給部 小林 智也)
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