需給動向 海外

◆世 界◆

2015/16年度のトウモロコシ生産量は2カ月連続で下方修正


米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が6月10日に公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、2015/16年度の世界のトウモロコシ生産量は、ブラジルで乾燥傾向が長引いたことから、2カ月連続で前月予測から下方修正され、前年度比4.6%減の9億6637万トンとなった。一方、2016/17年度の生産量については、中国で減少する一方、その他の主要国で増加するとの予測から、同4.7%増の10億1177万トンと見込まれている(表5)。



輸出量については、2015/16年度は、価格競争力の高まった米国産が前月予測から上方修正されたことなどから、同5.2%増の1億3459万トンと上方修正された。一方、2016/17年度は、同1.7%減の1億3225万トンと前月予測から153万トン下方修正された。この要因として、ブラジルの輸出量が前月予測から引き下げられたことが挙げられる。

輸入量については、2015/16年度は、メキシコの増加見込みなどから、1億3459万トン(同5.2%増)と前月予測から上方修正された。一方、2016/17年度は、備蓄政策を変更した中国および域内供給量の増加が見込まれるEUの 減少予測などから、同1.7%減の1億3225万トンと見込まれている。

消費量については、2015/16年度は、同1.3%減の9億6833万トンと前月予測からわずかに下方修正された。一方、2016/17年度は、世界的な需要の増加により、同4.6%増の10億1309万トンと記録的水準に達すると見込まれている。

この結果、期末在庫については、2015/16年度は、2カ月連続で前月予測から下方修正され、2億645万トン(同0.9%減)となった。また、2016/17年度については、米国およびブラジルの増加を中国などの減少で相殺することから、2億512万トン(同0.6%減)と見込まれている。

2016/17年度の大豆生産量は、前年度をやや上回る見込み

USDA/FASが6月10日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、2015/16年度の世界の大豆生産量は、ブラジルの乾燥傾向による減少などから、3億1326万トン(前年度比2.0%減)と前月予測から下方修正された。一方、2016/17年度については、米国以外の主要生産国での増産予想から、同3.5%増の3億2370万トンと見込まれている(表6)。



輸出入量については、2015/16年度は、世界的な需要の増加を反映して、輸出量が1億3204万トン(同4.7%増)、輸入量は1億3078万トン(同5.9%増)となったものの、ブラジルやウクライナなどからの輸出が下方修正されたことにより、いずれも前月予測から下方修正された。また、2016/17年度は、輸出量が1億3771万トン(同4.7%増)、輸入量は1億3602万トン(同4.0%増)と見込まれている。

消費量については、2015/16年度は、2億7933万トン(同6.1%増)と前月予測からわずかに上方修正された。2016/17年度は、タンパク質飼料需要の増加を背景に、同3.2%増の2億8844万トンと見込まれている。

この結果、期末在庫については、2015/16年度は、7229万トン(同7.7%減)と前月予測から下方修正された。また、2016/17年度は、米国、中国およびアルゼンチンの在庫がかなり減少すると予測されることから、同5.6%減の6631万トンと見込まれている。

(調査情報部 渡邊 陽介)


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