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農林水産省が追加輸入の実施を発表
農林水産省は5月31日、バター6000トン、脱脂粉乳2000トンに加え、熊本地震の影響により、加糖れん乳を製造する乳製品工場が一時操業を停止したことから、今後の需給に影響が生じないよう加糖れん乳500トンの追加輸入を実施すると発表した。輸入入札は6月から7月にかけて行われ、10月末までに順次輸入、国内需要者へ供給されることとなる。
今回の農林水産省による追加輸入の発表は、昨年9月に28年度におけるバターなどの輸入については1月、5月および9月に判断するとしていたことを受け、実施されたものである。
脱脂粉乳、バターの生産量は回復傾向
平成27年度にバター・脱脂粉乳などの製造に仕向けられた生乳量(補給金に係る認定数量)は、生乳生産量が好調に推移する中、163万6386トン(前年度比6.4%増)とかなりの程度増加した。品目別の生産量を見ると、バターは6万6295トン(同7.5%増)、脱脂粉乳は13万184トン(同7.7%増)と前年度を上回っている。
28年4月にバター・脱脂粉乳などの製造に仕向けられた生乳数量は15万5446トン(前年同月比3.1%増)と前年同月をやや上回った。品目別の生産量を見ると、バターは6505トン(同5.7%増)、脱脂粉乳は1万2480トン(同4.0%増)となっている(図7)。
加糖れん乳については、27年度の生産量は3万4560トン(前年度比2.7%増)と前年度をわずかに上回ったが、28年4月は主要生産地である熊本県が4月に発生した地震の影響を受けたことから、2875トン(前年同月比11.8%減)と落ち込んでいる。
在庫量は前年同月を上回って推移
平成27年度のバターおよび脱脂粉乳の推定出回り量は、バターが7万5210トン(前年度比1.1%増)と増加した一方、脱脂粉乳は13万6188トン(同1.6%減)と減少した。4月の推定出回り量については、バターが5438トン(前年同月比5.3%減)と減少した一方、脱脂粉乳が1万1328トン(同2.0%増)と増加した。4月末の民間在庫量はバターが2万3170トン(同26.6%増)、脱脂粉乳が5万6970トン(同19.7%増)と共に前年同月を上回っている(図8、図9)。
平成28年度の生産は減少の見通し
一般社団法人Jミルクが5月31日に公表した平成28年度の牛乳乳製品の需給見通しによると、同年度の生乳生産量は733万2000トン(前年度比0.7%減、うるう年修正後)、バターの生産量は6万4000トン(同0.4%減)、脱脂粉乳は12万5600トン(同3.5%減)と、いずれも減少の見通しとなっている。
(畜産需給部 岡 千晴)
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