需給動向 海外 |
◆米 国◆
豚肉輸出量は、堅調に推移
2016年4月の豚肉生産量は前年同月をやや下回る
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が5月19日に公表した「Livestock Slaughter」によると、2016年4月の豚と畜頭数は、1日当たりと畜頭数は堅調に推移しつつも、と畜場稼働日が前年同月より1日少なかったことから、前年同月比3.2%減の936万6300頭とやや減少した。一方、1頭当たりの枝肉重量は前年同月並みの97.1キログラムであった。この結果、同月の豚肉生産量は同3.2%減の90万7200トンとなった(図7)。
なお、USDAは2016年の年間豚肉生産量を1133万5000トン(前年比2.0%増)とし、前月予測から9100トン上方修正した。また、2017年については1163万トン(同2.6%増)とし、引き続き豚肉生産は堅調に推移すると見込んでいる。
豚肉輸出量は、日本向けが首位、中国向けも前年同月を大幅に上回る
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2016年3月の豚肉輸出量は、前年同月を2.9%上回る20万5543トンとなった(図8)。輸出先国別に見ると、日本向けは5万2663トン(前年同月比19.5%増)となり、5万842トン(同17.0%減)に減少したメキシコを2015年6月以来に上回って輸出先首位となった。また、国内生産量の減少に伴う豚肉価格の上昇を抑えるべく輸入量を増加させている中国向けも、2万3520トン(同162.6%増)と前年同月を大幅に上回った。一方、韓国向けは2万3520トン(同18.2%減)、カナダ向けは2万2640トン(同2.4%減)といずれも前年同月を下回った。
また、同月の生体豚の輸入状況を見ると、米国内での豚流行性下痢(PED)発生に伴い突出して多かった前年同月を5.1%下回ったものの、過去5年間の同月平均を16.6%上回る8万1420頭となった。カナダからのと場直行豚の輸入頭数は、カナダドルに対し米ドル高で推移する為替相場に加え、2015年12月18日に米国の義務的原産地表示制度(COOL)の対象から牛肉および豚肉が除外されたこともあり順調に推移している。
(調査情報部 野田 圭介)
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