需給動向 海外

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牛肉輸出量、今後は減少見通し


成牛と畜頭数、前年度の反動により大幅に減少

ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2016年2月の成牛と畜頭数は、前年同月比22.4%減の22万9919頭と大幅に減少した(図10)。これは、輸出需要を背景とした牛肉価格の上昇と乳価の下落を受けて、2014/15年度(10月〜翌9月)に乳用経産牛を中心にと畜頭数が増加した反動によるものとみられる。



ビーフ・アンド・ラム・ニュージーランド(BLNZ)によると、2015/16年度の輸出向け牛と畜頭数は、前年度の記録的なと畜頭数の増加により乳用経産牛と肉用牛の飼養頭数は減少傾向にあるため、前年度比10.2%減の240万9000頭とかなりの程度減少が見込まれている。

牛肉輸出量、飼養頭数減で減少へ

BLNZによると、2014/15年度の牛肉輸出量は、44万5711トン(前年度比3.1%増)と3年連続で増加した(図11)。特に、全輸出量の半数を占める米国向けは、干ばつ後の牛群再構築に伴う米国内の牛肉生産量減少の影響から、前年度比20.7%増となった。また、米国に次ぐ輸出先である中国向けも、近年の牛肉需要の拡大を受け、同53.3%増となっている。一方、日本向けは同22.2%減となっている。



2015/16年度については、2月までの累計で、18万3784トンと前年同期比7.3%増となっている。米国向けは同国の牛肉生産量の増加に伴い7万7367トン(前年同期比15.5%減)と減少している一方、中国向けは、牛肉需要の拡大が続いていることで3万3188トンと倍増している。ただし、通年では、乳用経産牛と肉用牛の飼養頭数の減少を受けて、40万トン(同7.3%減)と減少に転じるとされている。

牛肉輸出単価、引き続き高水準を維持

BLNZによると、2014/15年度の牛肉輸出単価(FOB)は、米国および中国からの需要の増加と米ドルに対してNZドル安で推移した為替相場の影響を受けて、前年度比26.9%高の1キログラム当たり7.4NZドル(577円:1NZドル=78円)と大幅に上昇した(図12)。輸出単価の上昇と輸出量の増加を受け、牛肉輸出額は、前年度比40.4%増の31億9300万NZドル(2491億円)に達した。



2015/16年度については、輸出単価は引き続き高い水準を維持すると見込まれる一方、輸出量の減少に伴い、輸出額は前年度比7.6%減の29億4900万NZドル(2300億円)と見込まれている。

(調査情報部 大塚 健太郎)


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