需給動向 国内 |
平成28年4月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、3月と同様に1カ月を通して安定的に推移し、平均では1キログラム当たり215円(前年同月比12円安)となった(図10)。
同価格は、例年、春から夏場にかけて、気温の上昇とともに生産量が増加する一方で、鍋物などの季節需要が減退することから低下する傾向にあるが、本年は、昨年に引き続き、2月以降も下がることなく推移している。4月は、気温の上昇により産卵に適した気候となり、生産量は増加傾向となっていたものの、学校給食の再開や大型連休による行楽需要などの引き合いも見られ、需給のバランスが保たれている状況であった。
今後については、供給面では、温暖な気候となり、産卵の適期が続くことから、生産量は引き続き増加傾向で推移する見込みである。一方、需要面では、大型連休も終了し、気温の上昇に伴う需要の減退を懸念する声も聞かれる。
平成28年3月25日に農林水産省が公表した「2015年農林業センサス結果の概要(確定値)」によると、平成27年2月1日現在のひなを含む採卵鶏を150羽以上飼養する経営体数は、前回調査した2010年から733経営体が減少し、4181経営体(2010年比14.9%減)となった。
一方、飼養羽数は、経営体の大規模化が進展し、1億5423万1600羽(同3.2%増)と増加した。
全国農業地域別に見ると、飼養経営体数は主要産地である関東・東山、東海、九州、東北をはじめ、北陸、近畿、中国、四国で減少した。
また、飼養羽数は、同じく主要産地では、東日本大震災の影響から東北が減少したほか、四国、九州、沖縄も減少したものの、その他の地域では増加する結果となった。飼養経営体数および飼養羽数共に2010年より増加したのは北海道のみで、飼養羽数は、58.8%の増加となっている。
なお、飼養羽数の構成比に大きな変化はなく、2015年は関東・東山(23.7%)、東海(14.7%)、九州(14.4%)、中国(12.4%)の順となっている(表4)。
(畜産需給部 小林 智也)
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