需給動向 国内 |
平成27年度の生乳生産量は、740万7326トン(前年度比0.8%増、前年度比はうるう年修正後の数値、以下同様)となり、3年ぶりに前年度を上回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。月別にみると、4〜5月は前年同月を下回ったものの、6月以降は前年同月を上回って推移した(図7)。
生乳生産量は北海道が増加、都府県が減少
生乳生産量を地域別にみると、北海道が389万7095トン(前年度比2.0%増)と前年度を上回る一方、都府県は351万221トン(同0.3%減)とわずかに下回った。全国の酪農家戸数が減少する中、一戸当たりの飼養頭数が増加する傾向が続いていたが、近年は労働力不足などにより規模拡大も伸び悩んでいる。北海道の生乳生産量のシェアは、過半を占めた22年度以降、年々増加し、27年度は53%となった(図8)。なお、北海道は26年11月以降17カ月連続で前年同月を上回って推移しており、27年度の生乳生産回復に寄与した。
牛乳等向け処理量はわずかに増加
生乳の用途別処理量では、牛乳等向け(注1)が395万3233トン(前年度比0.8%増)となった(図9)。仕向先として大きなウエイトを占める牛乳の生産量は前年度比0.4%増と4年ぶりに前年度を上回った。一方、加工乳・成分調整牛乳および乳飲料の生産量はそれぞれ同2.2%減、同2.3%減と減少した。はっ酵乳の生産量は消費者の健康志向を背景に売れ行きが好調であったことから同7.5%増と過去最高を更新した。
脱脂粉乳・バター等向けはわずかに増加もクリーム等およびチーズ向けは減少
乳製品向け(注2)処理量は、339万8530トン(前年度比0.8%増)と3年ぶりに前年度を上回った。生乳需給が年間を通じてひっ迫基調で推移する中、脱脂粉乳・バター等向けは164万9162トン(同6.0%増)と前年度を上回ったものの、クリーム等向けが129万4659トン(同2.4%減)、チーズ向けは45万4709トン(同6.7%減)と減少した。
(注1) 生乳を牛乳、加工乳、成分調整牛乳、乳飲料、はっ酵乳などの生産に仕向けたもの。
(注2) 生乳をバター、脱脂粉乳、生クリーム、脱脂濃縮乳、チーズなどの生産に仕向けたもの。
(畜産需給部 岡 千晴)
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