需給動向 海外

◆豪州◆

生乳生産量、減少続く


11月の生乳生産量、減少率さらに拡大

 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2015年11月の生乳生産量は99万7500キロリットル(102万7400トン相当、前年同月比3.4%減)と、10月に続いて前年同月を下回り、減少率も拡大した(図19)。2015/16年度(7月〜翌6月)の累計(7〜11月)では455万7500キロリットル(469万4100トン相当、前年同期比0.8%増)と微増ながらも、増加率は縮小傾向にある。

 州別に見ると、主産地であるビクトリア州が、11月の降雨量が少なく、放牧環境が悪化したことなどから、前年同月比5.3%減と最も大きく減少した。

 豪州気象局が2016年1月末に発表した向こう3カ月(2〜4月)の気象見通しでは、エルニーニョ現象の影響が今後徐々に弱まることで、降雨量は豪州全土でおおむね平年以上で推移するとしている。一方、今後の生産見通しについて主要乳業メーカーは、これまでの乾燥気候や西オーストラリア州で発生した山火事の影響により、最終的には前年度比5%程度の減産の可能性があるとしている。

11月の乳製品輸出量、チーズは好調を維持

 DAが公表した2015年11月の主な乳製品の輸出量は、以下の通りとなった(図20)。

・脱脂粉乳 1万5936トン
 (前年同月比 15.1%減)

・全粉乳    6426トン
 (   同     3.1%減)

・バター    2742トン
 (   同    45.0%減)

・チーズ  1万5376トン
 (   同    19.5%増)

 品目別に見ると、チーズは主要輸出先である日本向けや中国向け需要の拡大を受け、増加傾向が続いているが、その他の乳製品は、前年実績を下回った。中でもバターは、前年に輸出の多かった米国やアラブ首長国連邦向けの減少を受け、大幅に減少した。また、脱脂粉乳は、これまで主に中東向けに多く輸出されていたが、原油価格安に伴う購買力の低下を受け、減少に転じたとみられている。乳製品国際価格が低迷する中で、より付加価値のあるチーズ生産を増やしており、チーズ輸出の増加は、乳業や生産者への朗報となっている。

大手乳業メーカー、国内小売大手とチーズ供給契約を締結

 豪州最大の酪農協系乳業メーカーであるマレーゴールバン(MG)社は2月1日、豪州小売大手のコールズ社との間で、プライベートブランドによるチーズ供給を5年間にわたって行うという長期契約の締結を発表した。両者の間では2014年にも、プライベートブランドの低温殺菌牛乳を10年間にわたって供給するという長期契約を締結しており、今回の契約は、それに続くものとなる。MG社は、今回の契約によって、年間1億3000万豪ドル(114億円:1豪ドル=88円)の売上増加が見込まれることに加え、安定的な販路が確保できたとしている。

 今回の長期契約の背景には、ビクトリア州北部、ニューサウスウェールズ州との州境付近に位置するコブラムに、MG社が最先端技術を導入したチーズ工場を増設したことがある。これにより、同社のチーズ生産性が向上し、今後、この工場の生産能力をさらに高めることで、食品サービス産業向けの多様な需要にも対応していきたいとしている。

(調査情報部 竹谷 亮佑)

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