需給動向 海外

◆カナダ◆

飼養頭数が増加し、豚肉輸出量もかなり増加


繁殖豚頭数は前年比0.7%増

カナダ統計局(Statistics Canada)が8月18日に公表した「Hog Statistics」によると、2016年7月1日時点の豚飼養頭数は、前年比1.9%増の1345万頭となり、4年連続で前年を上回った(表3)。区分別に見ると、繁殖豚は同0.7%増の124万3500頭と前年をわずかに上回った。また、肥育豚は同2.0%増の1220万6500頭となり、中でも54~80キログラムの区分は同4.4%増の243万2500頭となった。この要因としては、生体豚価格が高値で推移する一方、飼料穀物価格が安価に推移し、収益性が増したことから、生産者の増頭意欲が高まっことが挙げられる。

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また、地域別にみると、大西洋地域などの一部を除き全国的に増加しており、飼養頭数上位2州を含む東部の合計は前年比2.3%増の762万4000頭と、西部より増加幅が大きかった(表4)。中でも最も増加率が高かったのは、米国への生体豚輸出も盛んなオンタリオ州で、同3.1%増の319万8000頭であった。

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豚肉輸出はかなり増加も、生体豚輸出は微減

Statistics Canadaによると、2016年上半期の生体豚輸出頭数は、290万頭(前年同期比0.1%減)であった。生体豚の輸出先のほとんどを占める米国向け輸出は、前年をわずかに下回る水準にとどまった。これは、2015年12月に米国の原産地表示(COOL)規則から牛肉とともに豚肉が除外された上、2016年に入ってから為替相場が米ドルに対しカナダドル安で推移していることから、生体豚輸出には有利な状況となったものの、米国で6月1日時点の豚飼養頭数が過去最高に達するなど供給頭数が高水準で推移していることが要因と考えられる。

一方、同期間の豚肉輸出量は、47万2000トン(同10.2%増)となり、前年同期をかなりの程度上回った。特に、飼養頭数の減少もあり引き合いが強まっている中国向けは、12万7000トンと前年同期の約5倍であった(図10)。

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(調査情報部 野田 圭介)


				

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