需給動向 海外

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減産および輸出増により豚価が上昇


主要国を中心に減産傾向が強まる

欧州委員会によると、2016年7月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比3.8%減の176万トンとなった(図11)。EU最大の生産国であるドイツが同4.4%減、第3位のフランスが同5.6%減となるなど主要国を中心に減産傾向が強まっている。なお、第2位のスペインは同1.2%増となっているが、これまでの同国の増産傾向と比較するとかなり落ち着きつつある。

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2016年1〜7月までのEU全体の累計で見ると、前年同期比1.0%増と、ほぼ前年並みとなっている。

輸出量は引き続き堅調

欧州委員会によると、2016年7月の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同月比31.0%増の18万9000トンとなった(図12)。4〜6月に同70~100%増で推移していた輸出量は、増加幅を縮小させたが、14カ月連続で前年同月を上回るなど引き続き堅調に推移している。

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国別では、EUの2大輸出国であるスペイン、ドイツがそれぞれ前年同月比54.6%増の4万4000トン、同23.8%増の4万1000トンとなっており、両国がEU全体の輸出増をけん引していることがうかがえる。

2016年1〜7月までのEU全体の累計で見ると、中国をはじめとしたアジア市場を中心に、前年同期比54.1%増の140万3000トンとなった。なお、日本向けも同12.4%増の18万2000トンと増えている。

豚価はさらに上昇

欧州委員会によると、2016年8月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前年同月比14.4%高の100キログラム当たり163.46ユーロ(1万8798円:1ユーロ=115円)とかなり大きな上昇となった(図13)。

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同価格は、ロシアによる禁輸措置などにより3年近くにわたって前年を下回るなど低迷していたが、主要国を中心とした減産傾向の強まりとアジア向けを中心とした輸出量の増加により、2016年5月以降一気に上昇している。

(調査情報部 大内田 一弘)


				

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