需給動向 海外

◆中 国◆

生産が伸び悩む中、南米産の輸入で物量を確保


牛肉生産量の伸び悩みを輸入で補完

中国の全ての牛の総飼養頭数は、農業の機械化とそれに伴う役畜としての用途の減少から、1999年の1億2698万頭をピークに減少し続けており、現在はピーク時より2300万頭程度少ない、およそ1億頭が飼養されている。中国で牛を幅広く食用に供し始めたのはごく最近になってからであるため、国内肉用牛生産は構造改革の過渡期にあり、年々急速に伸長する需要に供給が追いついていない。政府は肉牛産業の近代化のため各種政策を展開しているが、当面は供給の不足を輸入で賄う体制が継続すると予測されている。

米国農務省海外農業局(USDA/FAS)によると、2016年の生産量は前年比1.3%増であるのに対し、輸入量は同24.4%増と見込んでいる(表3)。



国産に対する輸入牛肉の割合は毎年増加する見込み

一方、農業部は本年4月22日に「中国農業展望(2016〜2025年)」を公表し、この中で2025年までの牛肉需給について予測を示している。これによると、消費の増加に対し国産で供給しきれない割合が年々増加することが予想され、不足分を輸入で賄うことにより、国内生産に対する輸入の割合が毎年0.4~0.7%増加すると予測している(図11)。



2016年の牛肉輸入量は好調な南米産に支えられ堅調に増加

2016年1〜7月の牛肉輸入量は、前年同期比50.8%増の34万7875トン(製品重量ベース)となった(図12)。ブラジルをはじめとする南米諸国産の輸入が急増しているのに対し、豪州産は減少するという対照的な結果となっている。



国別にみると、2012年のBSE(牛海綿状脳症)発生により輸入停止となっていたブラジル産は、2015年5月19日以降に生産されたものについて、以降輸入が再開されてから大きく数量を伸ばし、輸入先国中最大の10万7383トンとなった。

次いで輸入量が多いのが8万5702トンのウルグアイ産で、こちらも前年同期比19%増と大きく数量を伸ばしている。中国の業界団体筋の観測によると、昨年国内で開催された牛肉関連の展示会で商談が活発に行われたことなどがきっかけではないかとしている。

豪州産は前年同期に比べ22%減少した。業界団体では、気候条件の影響や米国など他地域への輸出との兼ね合いを指摘している。

また、従来香港に輸入された牛肉の一定量は本土へ流れているとされているが、2015年に本土の輸入が大きく伸びているのに対し、香港は対前年で29%減少しおよそ29万トンとなっている。この原因として、本土でブラジル産牛肉が解禁され、香港を経由する必要がなくなったことや、当局による取り締まりが強化されたことなどが挙げられている。

小売価格は2014年以降高値安定で推移

一方、小売取引価格は、2014年以降、季節的変動はあるものの、全体的な不足感から高価格帯で安定的に推移している(図13)。中国では年明けの旧正月前後に牛肉需要は他の食肉同様ピークに達する。一方、夏場が需要の底となっており、主に外食に依存している国内消費の主な調理方法が煮物や鍋、鉄板焼きなどであることから、暑熱期に敬遠されるためである。



(調査情報部 木田 秀一郎)


				

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